問56 2019年5月学科

問56 問題文と解答・解説

問56 問題文択一問題

各種金融資産の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.外貨定期預金の価額の円貨換算については、原則として、取引金融機関が公表する課税時期における対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場による。

2.金融商品取引所に上場されている利付公社債の価額は、次式により計算された金額によって評価する。
評価額=(課税時期の最終価格+源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額)×券面額/100円

3.相続開始時において、保険事故がまだ発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、課税時期における既払込保険料相当額により評価する。

4.金融商品取引所に上場されている不動産投資信託の受益証券の価額は、上場株式に関する評価の定めに準じて評価する。

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問56 解答・解説

金融資産の相続税評価に関する問題です。

1.は、適切。相続税評価の際、外貨建て資産は円換算して評価することが必要ですが、原則としてその資産を取引している金融機関の課税時期におけるTTBレートで評価します。

なお、顧客が円を外貨に換える際の為替レートはTTSで、顧客が外貨を円に換える際の為替レートがTTBです(TTMは手数料上乗せ前のレート(仲値))。
TTS…「顧客が円売り」もしくは「銀行が外貨売り」ですので、「売り」=Sell
TTB…「顧客が円買い」もしくは「銀行が外貨買い」ですので、「買い」=Buy

2.は、適切。金融商品取引所に上場されている利付公社債は、源泉徴収後の既経過利息(購入日から相続開始日までの利息)と課税時期の最終価格(市場価格)の合計で評価(券面額100円当たり)します。
利付公社債の相続税評価額=(課税時期の最終価格+源泉徴収後の既経過利息)×券面額/100円

3.は、不適切。生命保険は、相続開始時に解約した場合に支払われる解約返戻金額で評価します。

4.は、適切。ETFやJ-REITといった金融商品取引所に上場されている投資信託は、上場株式の評価方法に準じて評価(相続発生日の終値、相続の発生月・前月・前々月の各終値月平均のうち、最も低い額)します。

よって正解は、3.

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