問6 2019年1月実技個人資産相談業務
問6 問題文
Ｍさんは、Ａさんに対して、公募株式投資信託の譲渡益の課税関係について説明した。下記＜資料＞の条件に基づき、平成30年中に特定口座（源泉徴収あり）を利用してＺ投資信託を100万口購入し、同年中に全部を換金した場合に徴収される所得税、復興特別所得税および住民税の合計額を計算した次の＜計算の手順＞の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。なお、手数料等については考慮しないものとする。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
＜資料＞Ｚ投資信託の基準価額および平成30年中の収益分配金（１万口当たり）
＜計算の手順＞
１．譲渡所得の金額
{11,000円−（10,000円−（ 1 ）円）}×（100万口÷１万口）＝□□□円
２．所得税および復興特別所得税の合計額
□□□円×（ 2 ）％＝□□□円
３．住民税額
□□□円×５％＝□□□円
４．所得税、復興特別所得税および住民税の合計額
□□□円＋□□□円＝（ 3 ）円
問6 解答・解説
株式投資信託換金時の所得税・住民税に関する問題です。
まず、投信の売却益＝換金額−取得価額 となります。
換金額については、換金時の基準価額11,000円（1万口当たり）が該当します。
次に取得価額とは、個別元本に販売手数料などの取得費用を加えた、投資金額のことです。
これに対し個別元本とは、同じ投資信託を追加購入した場合に、それぞれの口数に応じて加重平均した購入価格です。
ただし、本問の場合は「手数料等については考慮しない」となっており、購入も1回だけですので、取得価額＝個別元本です。
さて、Z投資信託では元本払戻金（特別分配金）200円が発生していますが、特別分配金が発生すると、分配前の個別元本から特別分配金を差引いた金額が、新たな個別元本（分配後の個別元本）となります。
本問ではZ投資信託を一括購入していますので、分配前の個別元本＝購入時の基準価額10,000円です。
ここから元本払戻金（特別分配金）を差し引くと、新たな個別元本（分配後の個別元本）となりますので、
分配後の個別元本＝10,000円−200円＝9,800円
従って、Ａさんの投信１万口当たりの売却益＝11,000円−9,800円＝1,200円
ただし、実際にはAさんは投信100万口を購入していますので、
100万口分の売却益＝1,200円×100万口／1万口＝120,000円
最後に、株式等に係る譲渡所得の税率は、20.315%（所得税15.315%・住民税5%）ですから、
・所得税：120,000円×15.315％＝18,378円（復興特別所得税含む）
・住民税：120,000円×5％＝6,000円
・合計額：18,378円＋6,000円＝24,378円
以上により正解は、(1)200（円） (2)15.315（％） (3)24,378（円）
問5
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