問15 2018年9月実技資産設計提案業務
問15 問題文
個人事業主で青色申告者である細井さんの2018年分の所得等が下記<資料>のとおりである場合、細井さんが2018年分の所得税の確定申告を行う際、事業所得と損益通算できる損失に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。
<資料>
●事業所得:840万円
飲食店経営に係る所得で、青色申告特別控除65万円控除後の金額である。
●不動産所得:▲120万円
アパート経営に係る必要経費(※)が収入を上回ることによる損失である。
●譲渡所得 :▲30万円
すべて上場株式の売却損である。
●雑所得 :▲10万円
雑誌に寄稿した原稿料に係る必要経費が収入を上回ることによる損失である。
※必要経費の中には、土地の取得に要した借入金の利子の額40万円が含まれている。
1.不動産所得▲120万円および譲渡所得▲30万円と損益通算できる。
2.不動産所得▲120万円および雑所得▲10万円と損益通算できる。
3.不動産所得▲80万円および譲渡所得▲30万円と損益通算できる。
4.不動産所得▲80万円と損益通算できる。
問15 解答・解説
損益通算に関する問題です。
不動産・事業・山林・譲渡所得の損失は、給与所得や一時所得等の他の所得と損益通算できます。
ただし、不動産所得の損失のうち、土地取得に要した負債の利子相当部分は、他の所得と損益通算できません。
つまり、借金して土地を購入した場合、その年は収入より支出が上回って不動産所得が損失となっても、借金の利子分は損益通算の対象外ということです。
よって、本問の場合、不動産所得の損失120万円のうち、借金の利子分40万円は損益通算の対象外ですので、残りの80万円が損益通算の対象です。
また、株式等の譲渡による譲渡所得は分離課税のため、総合課税である事業所得とは損益通算できません。
なお、雑所得の損失は、他の所得と損益通算できず、0円扱いとなります(株式の雑所得は申告分離課税を選択した配当所得と損益通算可能)。
以上により正解は、4.不動産所得▲80万円と損益通算できる。
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