問3 2018年9月実技損保顧客資産相談業務
問3 問題文
最後に、Mさんは、Aさんに対して、X社の継続雇用制度を利用した場合の雇用保険の給付等について説明した。Mさんが説明した次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)「60歳以後の各月(支給対象月)に支払われる賃金額が、60歳到達時の賃金月額の75%相当額を下回りますので、Aさんは、原則として、雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金を受給することができます。Aさんに支給される当該給付金の額は賃金額の15%に相当する額になります」
(2)「 特別支給の老齢厚生年金は、総報酬月額相当額と基本月額との合計額が28万円(平成30年度の支給停止調整開始額)を超えると、所定の算式により、年金額の一部または全部が支給停止となります」
(3)「雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金を受給した場合、特別支給の老齢厚生年金の年金額の全部が支給停止となります。特別支給の老齢厚生年金の支給開始後は、高年齢雇用継続基本給付金の支給を止める手続をX社(事業主)経由で行うようにしてください」
問3 解答・解説
高年齢雇用継続給付・在職老齢年金に関する問題です。
(1)は、×。雇用保険の高年齢雇用継続給付は、60歳到達時等の時点に比べて賃金が75%未満に低下した、60歳以上65歳未満の一般被保険者の方に支給されます(高年齢雇用継続基本給付金と高年齢再就職給付金の2種類)。
高年齢雇用継続基本給付金の支給額は、最高で賃金額の15%ですが、詳細は以下の通りとなります。
賃金の低下率 支給額
61%以下・・・・・・・支給対象月の賃金額の15%
61%超75%未満・・・・低下率に応じた15%相当未満の額
75%以上・・・・・・・ 支給なし
※低下率=支給対象月に支払われた賃金額÷60歳到達時の賃金月額×100
(2)は、○。65歳未満で受け取る老齢厚生年金は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が28万円を超える場合、60歳台前半の在職老齢年金の仕組みにより、年金額の全部または一部が支給停止となります。
(3)は、×。高年齢雇用継続給付と特別支給の老齢厚生年金(在職老齢年金)を同時に受給する場合、60歳以降の賃金の低下割合に応じて、標準報酬月額の6%を限度に在職老齢年金が支給停止されます(併給調整)。なお、支給停止条件に該当した場合、原則として日本年金機構への届出等は不要です(以前は被保険者自身で届出を提出する必要がありました)。
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