問10 2018年9月実技中小事業主資産相談業務
問10 問題文
都市計画法および建築基準法の規定に関する次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)甲土地上に建築物を建築する場合、用途地域による建築物の制限については、その全部について、制限がより厳しい第一種住居地域の建築物の用途に関する規定が適用される。
(2)甲土地上に耐火建築物を建築する場合、防火地域内にある耐火建築物に該当するため、指定建蔽率に10%が加算され、建蔽率の限度は82%となる。
(3)高度地区は、土地の合理的かつ健全な利用を図るため、建築物の容積率の最高限度および最低限度、建築物の建蔽率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度などが定められた地区である。
問10 解答・解説
用途地域・建ぺい率の上限・高さ制限に関する問題です。
(1)は、×。 土地の一体利用に関して、建築物の敷地が異なる用途地域にわたる場合、その敷地全体に対して、過半の属する用途地域の用途制限が適用されます。
本問の場合、近隣商業地域と第一種住居地域の全体で450uですが、半分以上を近隣商業地域が占めているため、近隣商業地域の用途制限が適用されます。
(2)は、×。防火規制がそれぞれ異なる土地にまたがっている場合、もっとも厳しい規制が課されますので、敷地が防火地域内外にわたっている場合はすべて防火地域扱いとなります。
また、建築物の敷地が、建ぺい率の異なる2つ以上の地域にわたる場合、敷地全体の建ぺい率は、加重平均、つまり各土地の建築面積の合計を、土地面積の合計で除して計算します。
防火地域で耐火建築物を建築する場合、10%の建ぺい率緩和を受けることができるため、第一種住居地域部分で適用される建ぺい率は、指定60%+緩和分10%=70%となります。
また、指定建ぺい率が80%の地域でかつ防火地域内に耐火建築物を建てる場合は、建ぺい率の制限がありません(建ぺい率100%)ので、近隣商業地域部分で適用される建ぺい率は、100%となります。
さらに、「建築基準法第42条第2項により特定行政庁の指定を受けた道路」とは、都市計画区域にある幅4m未満の道で、建築基準法上の道路とみなしているもの(2項道路)です。
2項道路の中心線から2m後退した線が、道路との境界線とみなされるため、みなし道路境界線と道までの部分(セットバック部分)は、容積率や建ぺい率の計算の際、敷地面積に算入されません(反対側がガケ地や川等のその方向に後退できない場合は、境界線から4m後退)。
セットバックで後退する距離は、現在の道路幅に対して、4mに足りない分の幅員の2分の1です。
本問の場合、幅員3mですから、セットバックした場合の後退距離は、
(4m−3m)÷2=0.5m
よって、本問の土地の建ぺい率は、以下の通りです。
第一種住居地域部分の建築面積:(180u−後退距離0.5m×間口12m)×(60%+10%)=121.8u
近隣商業地域部分の建築面積 :(270u−後退距離0.5m×間口18m)×100%=261u
土地全体の建ぺい率の上限 :(121.8u+261u)÷(450u−後退距離0.5m×間口30m)×100=88%
(3)は、×。高度地区は、用途地域内での市街地環境の維持・土地利用の増進を目的に、建物の高さ制限(上限・下限)を規制する地域地区です(準都市計画区域内は上限のみ)。
これに対し、高度利用地区は、用途地域内(準都市計画区域を除く)での、市街地の土地の合理的・健全な高度利用と都市機能の更新を目的に、建物の容積率の上限・下限、建ぺい率の上限、建築面積の下限、壁面位置制限を規制する地域地区です。
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