問26 2018年9月学科

問26 問題文と解答・解説

問26 問題文択一問題

金融派生商品の種類と概要に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.異なる通貨間で一定期間、キャッシュフローを交換する取引を金利スワップという。

2.将来の特定の時点を期限日として、ある商品を特定の数量について、あらかじめ定められた価格で売買することを契約する取引のうち、取引所で行われるものを先物取引という。

3.将来の一定期日または一定期間内に、原資産についてあらかじめ定められた価格で売る権利または買う権利を売買する取引をオプション取引という。

4.現物取引と反対のポジションの先物を保有することなどにより、価格変動リスク等を回避または軽減することを狙う取引をヘッジ取引という。

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問26 解答・解説

デリバティブ取引に関する問題です。

1.は、不適切。異なる通貨間で一定期間、キャッシュフローを交換する取引は、通貨スワップで、為替変動リスクに対するヘッジとして、事前に満期時の受取通貨とレートを確定する目的で利用されることが多い取引です。
これに対し、金利スワップは、同一通貨間の異なる種類の金利を交換する取引で、金利変動リスクに対するヘッジとして、LIBORやTIBOR といった変動金利と固定金利とを交換する取引が多く利用されます。
LIBORはロンドン市場で、TIBORは東京市場での金融機関同士の貸し出し金利のことです。

2.は、適切。先物取引は、未来の売買について、ある価格での取引を保証するもので、取引所取引で行われ、商品を受渡しせずに差金決済する取引です。これに対し、同様に未来の売買についてある価格での取引を保証する取引ではあるものの、相対(店頭)取引で行われ、実際に商品(資産)を受渡して現物決済するのが、先渡取引です。
先物取引も先渡取引も、未来の売買についてある価格での取引を保証するのは同じですが、上記のように取引方法と決済方法が異なります。

3.は、適切。オプション取引は、原資産を将来のある期日・期間内に、特定の価格で「売買する権利」を売買する取引です。
先物取引と似ていますが、原資産ではなく、売買する権利自体のみの売買であるため、買い手はオプションの価格のみに損失を限定することができます。

4.は、適切。ヘッジ取引とは、買いポジションをもっているときに、決済せずに同時に売りポジションも設定(両建て)するといったように、現物と反対のポジションの先物やオプションを保有すること等で、価格変動リスク等を回避・軽減する取引です。
買いポジで損失が出ても、売りポジで利益が出るため、損失を相殺できるわけです。

よって正解は、1.

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