問22 2018年9月学科
問22 問題文択一問題
信託銀行等が相続関連業務として行っている遺言信託の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.遺言信託とは、信託銀行等が、遺言書作成の相談から、遺言書の保管、執行までの手続きをサポートするサービスである。
2.遺言者は、信託銀行等を遺言執行者に指定した遺言書を、原則として公正証書遺言によって作成する必要がある。
3.遺言者は、遺言信託を契約する際、遺言者が死亡したときに連絡などを行う死亡通知人を指定する必要がある。
4.遺言信託により遺言書を信託銀行等に預けた場合、相続財産や相続人に変動があった場合を除き、遺言書の内容を変更することはできない。
問22 解答・解説
遺言信託に関する問題です。
1.は、適切。遺言信託とは、信託銀行等を遺言書保管者兼遺言執行者として指定することによる、遺言書作成の相談から、遺言書の保管、執行までの手続きに関するサポートを受けられるサービスです。
2.は、適切。信託銀行等で保管を受け付けている遺言は、原則として公正証書遺言のみですので、遺言信託では、信託銀行等を遺言執行者に指定した、公正証書遺言を作成することが必要です。
3.は、適切。遺言信託を契約する際は、遺言者は、自身が死亡したときに信託銀行等に対してその旨を連絡する死亡通知人を指定することが必要です。死亡したことを通知する役割を担う関係上、死亡通知人には通常相続人等を指定することが想定されています。
4.は、不適切。遺言の撤回は、遺言書の形式に関わらず可能なため、新しい遺言書が有効となります。
また、前の遺言が後の遺言と抵触する場合、抵触部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。
従って、遺言信託を利用した場合でも、信託銀行等は相続財産や相続人の変動の有無等を定期的に確認しており、遺言者の要望に応じて遺言書の内容の変更が可能です。
よって正解は、4.
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