問27 2018年5月学科
問27 問題文択一問題
オプション取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.コール・オプションの買い手は、「原資産を買う権利」を取得し、その対価であるプレミアム(オプション料)を売り手に支払う。
2.プット・オプションの売り手は、「原資産を売る権利」を取得し、その対価であるプレミアム(オプション料)を買い手に支払う。
3.コール・オプション、プット・オプションともに、買い手は権利を放棄することもでき、買い手の最大損失はプレミアム(オプション料)に限定される。
4.上場オプションの取引においては、コール・オプション、プット・オプションともに、売り手が自主的に行えるのは買戻しであり、売り手はプレミアム(オプション料)が最大利益となる。
問27 解答・解説
デリバティブ取引に関する問題です。
1.は、適切。オプション取引で、原資産を将来のある期日・期間内に特定の価格(権利行使価格)で”買う権利“をコールオプションといい、”売る権利“をプットオプションといいます。
また、プレミアム(オプション料)とは、オプションの価格であり、オプションがどれくらいの価値があるかを示すものですので、オプションの買い手は、売り手に対してプレミアム(オプション料)の支払いが必要です。
2.は、不適切。オプション取引で、原資産を将来のある期日・期間内に特定の価格(権利行使価格)で”買う権利“をコールオプションといい、”売る権利“をプットオプションといいます。
また、プレミアム(オプション料)とは、オプションの価格であり、オプションがどれくらいの価値があるかを示すものですので、オプションの売り手は、買い手からプレミアム(オプション料)を受け取ることができます。
3.は、適切。オプション取引では、「コール」、「プット」にかかわらず、買い手は権利を行使するか放棄するか自由に選択可能ですが、オプションの売り手は当初プレミアムを手に入れる代わりに、買い手の権利行使に応じる義務を放棄できません。
従って、オプション取引では、「コール」、「プット」にかかわらず、買い手の損失は支払ったプレミアムに限定されますが、オプションの売り手の損失は理論上無限大となります。
4.は、適切。オプションには、金融商品取引所に上場されている上場オプションと、投資家と業者等が相対で取引する店頭オプションがあり、上場オプションでは、「コール」、「プット」にかかわらず、買い手は買ったオプションを権利行使・放棄するか転売するかを選択可能ですが、売り手は自主的に買い戻す以外は、買い手の権利行使に応じる義務があるため、売り手の最大利益は買い手から受け取るプレミアム(オプション料)までとなります。
例えば、現在100円の大根を50円で買える権利がある場合、その権利を60円(プレミアム)で売っていた売り手は、大根が100円のままなら、権利行使時に差額の40円を負担するだけでいいわけです(もし大根が大豊作で0円になれば、最大利益はプレミアムの60円)。
ところが、大根が100円から150円に値上がりしてしまうと、権利行使時には差額90円を負担しないといけません。大根の値上がりに規制はなく、損失は無限大の可能性がありますから、買戻しして権利行使に応じる義務から逃れようとしますが、当初の大根を50円で買える権利は、大根150円時代には当然60円ではなく90円くらいになっています。
よって、60円で売ったものを90円で買い戻すため、買戻ししても30円の損失となります。
以上のように、オプションの売り手の最大利益はプレミアム(オプション料)までですが、損失は理論上無限大となるわけです。
売り手はかなりリスクを負うのに利益は限定されていますが、実際には多くの場合で権利行使時にプレミアムの範囲内の負担額に収まることが多く、安定的な運用が可能であるため、多額の資金をもつ機関投資家などがオプションの売り手になっています(ただし、リーマンショックのような市場の大暴落が起きると、その資金量でも耐え切れず、破たんする可能性があります。)。
よって正解は、2.
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