問11 2018年1月実技生保顧客資産相談業務

問11 問題文と解答・解説

問11 問題文

Aさんの平成29年分の所得税の課税に関する次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

(1)「一時払養老保険(10年満期)の満期保険金および一時払変額個人年金保険(確定年金)の解約返戻金は、一時所得の収入金額として総合課税の対象となります」

(2)「長女Cさんの合計所得金額は38万円以下となりますので、Aさんは長女Cさんに係る扶養控除の適用を受けることができます」

(3)「確定申告を行う場合、確定申告書を税務署に持参または送付して提出する方法のほかに、e-Taxを利用する方法があります。しかし、医療費控除の適用を受けるためには、原則として確定申告書に医療費等の領収書を添付しなければなりませんので、e-Taxを利用して確定申告をすることはできません」

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問11 解答・解説

一時払保険の税務・扶養控除・医療費控除に関する問題です。

(1)は、○。一時払の養老保険や個人年金保険・変額個人年金などを契約から5年以内に解約(満期による契約満了含む)した場合、金融類似商品として受取差益に20.315%の源泉分離課税となります(復興特別所得税を含む)。
本問の場合、いずれも契約から満期や解約までに5年超であるため、受け取った満期保険金や解約返戻金は、一時所得の収入として総合課税の対象です。

(2)は、×。扶養控除は16歳以上が適用対象で、控除額は38万円なのに対し、特定扶養控除は、19歳以上23歳未満が適用対象で、控除額は扶養控除38万円に25万円上乗せした、63万円です。
また、いずれも生計同一で合計所得金額38万円以下(給与収入だけなら103万円以下)であることが必要です。
よって、給与収入140万円の長女Dさん(24歳)は、扶養控除・特定扶養控除のいずれも対象外です。

(3)は、×。確定申告する場合、申告書を税務署に持参・郵送する以外にも、申告データをインターネットで送信する(e-Tax)ことも可能です。
e-Taxで確定申告する場合、医療費の領収書や給与の源泉徴収票といった第三者作成書類の添付を省略可能です(税務調査に備えて、5年間の保存義務はあります)。
※申告書を税務署に持参・郵送して医療費控除の適用を受ける場合には、従来は医療費の領収書を添付して確定申告することが必要でしたが、平成29年分の確定申告からは、領収書の代わりに、「医療費控除の明細書」や健康保険からの「医療費通知」を確定申告書に添付して提出することなりました。

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