問6 2018年1月実技生保顧客資産相談業務

問6 問題文と解答・解説

問6 問題文

最後に、Mさんは、Aさんに対して、終身保険の一般的な活用方法について説明した。Mさんが説明した次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

(1)「死亡保険金は、受取人固有の財産であり、原則として遺産分割協議の対象とならないため、資産を渡したい相手を死亡保険金受取人に指定することで遺産分割対策に活用することができます」

(2)「相続財産が多額で相続税の税負担率が高い場合、死亡保険金が相続税の課税対象となる契約形態で加入するのではなく、所得税の課税対象となる契約形態で加入したほうが相続人の税負担の観点から有利となるケースがあります。その場合、相続人が負担する保険料をAさんが暦年課税で贈与するプランも検討できると思います」

(3)「死亡保険金は、特段の事情がない限り、遺留分算定の基礎となる財産に含まれます。他の相続人の遺留分を侵害しないように、加入する保険金額について十分に検討する必要があります」

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問6 解答・解説

死亡保険金による相続税・遺産分割対策に関する問題です。

(1)は、○。死亡保険金は、民法上は亡くなった人の財産(遺産)ではなく、保険金受取人の固有の財産とされるため、民法上の相続財産に含まれず、遺産分割協議の対象となりません
(ただし、みなし相続財産として、相続税の課税対象には含まれます。)

(2)は、○。生命保険の契約者と被保険者が同じで、保険金受取人が異なる場合、支払われる死亡保険金は、みなし相続財産として、相続税の課税対象となります。ただし、受取人が相続人となる場合は「500万円×法定相続人の数」までは非課税です。
これに対し、生命保険の契約者(=保険料負担者)と保険金受取人が同じで、被保険者が異なる場合、契約者自身が保険料を負担していた保険から給付金や保険金を受け取るわけですから、支払われる給付金・保険金は一時所得として所得税・住民税の課税対象となります。
一時所得は、総所得金額を算出する際に、その2分の1が合算対象ですので、遺産が莫大な場合には、親が保険料を負担して子を受取人にして相続税として課税(最高55%)されるよりも、子が保険料を負担して子が受け取って所得税・住民税で課税(最高55%+復興特別所得税2.1%)される方が、税負担を抑えることが可能になるわけです。
そのため、相続人が負担する保険料を、被相続人が暦年課税で生前贈与することで、相続人の費用負担を抑えて納税資金を準備することが可能です。

(3)は、×。死亡保険金は、民法上は亡くなった人の財産(遺産)ではなく、保険金受取人の固有の財産とされるため、遺留分の対象となりません(民法上の相続財産に含まれず、遺産分割協議の対象とならない)。

問5             第3問

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