問13 2018年1月実技中小事業主資産相談業務
問13 問題文
《設例》の〈X社の概要〉に基づき、X社株式の1株当たりの「類似業種比準価額」と「類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式による相続税評価額」を計算した下記の〈計算式〉の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
〈計算式〉
・類似業種比準価額
395円×(5.0円/4.1円+31円/25円+302円/270円)/( 1 )×( 2 )×( 3 )円/50円=□□□円
・類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式による相続税評価額
□□□円×( 4 )+3,270円×(1−( 4 ))=□□□円
問13 解答・解説
類似業種比準方式・併用方式による非上場株式の相続税評価に関する問題です。
非上場株式会社の株式の原則的評価方式は、会社規模に応じて以下の通りとされています。
大会社:類似業種比準方式(純資産価額方式も選択可)
中会社:類似業種比準方式と純資産価額方式との併用方式(純資産価額方式も選択可)
小会社:純資産価額方式(併用方式の選択可)
※なお、同族会社の同族株主以外の株主等の場合は、特例的評価方式として、会社規模に関わらず配当還元方式で評価されます。
本問では]社は中会社ですから、類似業種比準方式と純資産価額方式との併用方式か、純資産価額方式のいずれかを選択できます。
まず、1株当たりの類似業種比準価額について、数式は以下の通りです。
株価=A×{(b/B+ c/C+d/D)/3}×斟酌率×1株当たりの資本金額/50円
※A…類似業種の株価(評価する月・前月・前々月・前年・前2年間の各平均のうち最も小さい金額)
※b、c、d…評価会社の1株当りの配当金額、利益金額、純資産価額(簿価)
※B、C、D…類似業種の1株当りの配当金額、利益金額、純資産価額(簿価)
※斟酌率は、大会社は0.7、中会社は0.6、小会社は0.5
平成29年度税制改正では、非上場株式の相続税評価額を算定する際、比準要素である配当・利益・簿価純資産の比重が1:3:1から1:1:1になり(c/Cを3倍せず、比準要素の合計を3で割る)、類似業種の株価に評価前2年間の平均が追加されるなど、業績好調な会社には有利な反面、内部留保の多い会社にとっては不利な評価額となっています。
設例では]社の会社規模は「中会社」とありますので、斟酌率は0.6となります。
また、資本金額5,000万円で、発行済株式総数100,000株ですから、
1株当りの資本金額=50,000,000円÷100,000株=500円 です。
よって、類似業種比準方式の株価は、
株価=395円×{(5.0/4.1+31/25+302/270)/3}×0.6×500円/50円
=395円×(1.21+1.24+1.11)/3×0.6×500円/50円 ←小数点第2位未満切捨て
=395円×1.18×0.6×10 ←小数点第2位未満切捨て
=279.6 円×10 ←10銭未満切捨て
=2,796 円
次に、類似業種比準方式と純資産価額方式との併用方式の計算式は、以下の通りです。
評価額=類似業種比準価額×L+1株当たりの純資産価額×(1−L)
※Lは、中会社のうち大規模なものは0.9、中規模は0.75、小規模は0.6、小会社は0.5。
設例では]社の会社規模は「中会社の大」とありますので、Lは0.9となります。
また、1株当たりの純資産価額については、設例にある通り3,270円です。
よって併用方式の評価額は、
評価額=2,796円×0.9+3,270円×(1−0.9)
=2516.4+327=2843.4→2,843円(円未満切捨て)
従って、併用方式2,843円<純資産価額方式3,270円 となり、評価額が低い方がX社にとって有利(相続税の評価額が低い)ですから、X社株式の1株当たりの相続税評価額(原則的評価方式)は、2,843円 です。
以上により正解は、(1)3 (2)0.6 (3)500(円) (4)0.90
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