問30 2018年1月学科
問30 問題文択一問題
金融商品の取引に係る各種法令に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を犯罪収益移転防止法といい、「金融商品の販売等に関する法律」を金融商品販売法という。
1.金融商品取引法では、有価証券デリバティブ取引のほかに、通貨・金利スワップ取引も規制の対象とされている。
2.犯罪収益移転防止法では、利用者が金融機関の窓口から10万円を超える現金を振り込む場合や200万円を超える現金の受払いをする場合、金融機関に取引時確認の義務を課している。
3.消費者契約法では、事業者の不当な勧誘により消費者契約の締結に至った場合、消費者は同法に基づく損害賠償を請求することができるとされている。
4.金融商品販売法では、金融商品販売業者が顧客への重要事項の説明義務に違反した場合の損害賠償責任については、原則として、当該顧客に対して無過失責任を負うこととされている。
問30 解答・解説
金融商品販売法・消費者契約法・金融商品取引法・犯罪収益移転防止法に関する問題です。
1.は、適切。金融商品取引法の規制対象は、投資性のある金融商品(債券・株式・投信・デリバティブ等)で、有価証券関連のデリバティブ取引だけでなく、FXや通貨・金利スワップ取引、天候デリバティブなどの幅広いデリバティブ取引が規制対象です。
※通過・金利スワップ取引:相場変動の回避等に用いられる、金利や元本の交換取引。
※天候デリバティブ取引:気候変動によるリスク回避等のため、あらかじめ所定のプレミアムを払い込むことで、条件に合致した天候状態により決済金を受け取る取引。
2.は、適切。犯罪収益移転防止法により、金融機関の窓口で10万円超の現金を振り込む場合や、200万円超の大口現金取引をする場合、金融機関には取引時に本人確認書類や取引目的等の確認義務があります。
3.は、不適切。業者によって消費者が誤認・困惑した上での契約は、消費者契約法により、取消可能です。業者に損害賠償を求めることができるのは、金融商品販売法です。
4.は、適切。金融商品販売法では、顧客への重要事項説明を販売業者に義務付けており、説明がなく損失が発生した場合、故意・過失が無くても損害賠償責任が業者に生じます(無過失責任)。
この場合、顧客が法人であっても同様です。
よって正解は、3.
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