問15 2018年1月学科
問15 問題文択一問題
契約者(=保険料負担者)を法人とする生命保険契約の保険料の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとし、いずれも保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。
1.被保険者が役員、死亡保険金受取人および満期保険金受取人がいずれも法人である養老保険の保険料は、その全額を資産に計上する。
2.被保険者が役員・従業員全員、死亡保険金受取人が被保険者の遺族である定期保険(無配当保険)の保険料は、その全額を資産に計上する。
3.被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険の保険料は、その全額を資産に計上する。
4.被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である長期平準定期保険の保険料は、保険期間の前半6割相当期間においては、その2分の1相当額を資産に計上し、残額を損金に算入することができる。
問15 解答・解説
法人の生命保険の経理処理に関する問題です。
1.は、適切。死亡・満期保険金受取人=法人とする養老保険では、最終的に必ず法人が保険金を受け取ることができることから、支払保険料の全額を資産計上します。
2.は、不適切。無配当定期保険とは、保険会社からの配当金支払いがない定期保険のことで、掛捨て型の保険であることから、保険期間満了時には解約返戻金はなく、支払った保険料全額を損金算入することができます。
本問のように、被保険者=全従業員(役員含む)となっていると、支払った保険料は福利厚生費として損金算入です(被保険者が特定の役員・従業員となっていると、給与として損金算入)。
また、死亡保険金を従業員の遺族が受け取った場合、みなし相続財産として相続税の課税対象となりますが、法人は保険金を受け取らないため経理処理は不要です。
3.は、適切。死亡保険金受取人を法人とする終身保険では、保険料支払い時は全額を資産計上します。また、死亡保険金の受取り時は、それまで資産計上していた保険料積立金を取り崩し、受け取った死亡保険金と、資産計上している保険料積立金等との差額は、雑収入(または雑損失)として計上します。
4.は、適切。長期平準定期保険では、前半6割期間での保険料支払い時は、保険料の2分の1を前払保険料として資産計上し、2分の1を定期保険料として損金算入します。
また、残りの期間では、支払う保険料全額に加えて、期間の経過に応じて前半6割で積み立てた資産も取り崩して損金算入します。
よって正解は、2.
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