問43 2017年5月学科
問43 問題文択一問題
民法における不動産の売買契約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が売買代金の一部を支払った後でも、売主は、受領した代金を返還し、かつ、手付金の倍額を償還することにより、契約を解除することができる。
2.買主に債務の履行遅滞が生じた場合、売主は、履行の催告をすることなく直ちに契約を解除することができる。
3.売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主が売主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償の請求をする場合、買主は、その瑕疵がある事実を知った時から1年以内にしなければならない。
4.売主は、売買の目的物に隠れた瑕疵があることを知らなかった場合、その瑕疵について瑕疵担保責任を負う必要はない。
問43 解答・解説
不動産の売買契約に関する問題です。
1.は、不適切。解約手付が交付されると、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は交付した手付金の放棄、売主は手付金の倍額償還により、契約の解除が可能です。
買主は解約手付を交付した後に売買代金として契約金額の一部を既に支払っていますので、契約の履行着手済です。よって売主は、売買代金を返還し手付金を倍額償還しても、契約解除はできません。
2.は、不適切。売買契約締結後、売主の過失により引渡し予定日に引渡しができなくなった等の債務の履行遅滞が生じた場合、買主は一定の期間まで履行するように履行の催告をした上で、それでもその期間内に履行されない場合に、契約解除できます。
催告せずに契約解除できるのは、履行不能(債務を履行できない=引渡しができない等)の場合です。
3.は、適切。土地や建物といった売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主がその事実を知らず、家を建ててそこに居住するといった契約の目的を達することができない場合、買主は瑕疵を知ってから1年以内であれば、契約解除できます。また、契約を解除できないときは損害賠償のみを請求できます。
4.は、不適切。土地や建物といった売買の目的物に隠れた瑕疵があり、売主の故意・過失による瑕疵ではなくても、売主は、原則として瑕疵担保責任を負うことになります。
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