問1 2017年1月実技生保顧客資産相談業務
問1 問題文
はじめに、Mさんは、Aさんに対して、Aさんが65歳になるまでに受給することができる公的年金制度からの老齢給付について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な数値を、解答用紙に記入しなさい。なお、年金額は平成28年度価額に基づいて計算し、年金額の端数処理は円未満を四捨五入すること。
「老齢厚生年金の支給開始年齢は原則として65歳ですが、経過措置として、老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、かつ、厚生年金保険の被保険者期間が1年以上あることなどの所定の要件を満たしている方は、65歳到達前に特別支給の老齢厚生年金を受給することができます。
昭和32年5月生まれのAさんは、原則として、( 1 )歳から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金を受給することができます。仮に、Aさんが【パターンT】を選択し、厚生年金保険の被保険者ではなくなった場合、Aさんが( 1 )歳から受給することができる特別支給の老齢厚生年金の額は、下記<資料>の計算式により、年額( 2 )円となります。【パターンU】を選択した場合は、( 1 )歳到達時における厚生年金保険の被保険者記録を基に、年金額が計算されます。
なお、Aさんが【パターンU】を選択して( 1 )歳以後も引き続き厚生年金保険の被保険者としてX社に勤務した場合、特別支給の老齢厚生年金は、総報酬月額相当額との間で調整が行われます。具体的には、総報酬月額相当額と基本月額との合計額が( 3 )万円(平成28年度の支給停止調整開始額)を超える場合は、年金額の一部または全部が支給停止となります」
<資料>
○特別支給の老齢厚生年金の計算式(本来水準の額、平成28年度価額)
・特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の額=下記の計算式の(a)+(b)
(a)平成15年3月以前の期間分
平均標準報酬月額×7.125/1,000×平成15年3月以前の被保険者期間の月数
(b)平成15年4月以後の期間分
平均標準報酬額×5.481/1,000×平成15年4月以後の被保険者期間の月数
問1 解答・解説
特別支給の老齢厚生年金の支給額に関する問題です。
特別支給の老齢厚生年金は、昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日生まれの男性に対して、63歳〜65歳になるまで報酬比例部分が支給されます。
<報酬比例部分の支給開始年齢>(女性は各5年遅れ)
・昭和28年4月1日以前生まれ………………………60歳
・昭和28年4月2日〜昭和30年4月1日生まれ……61歳
・昭和30年4月2日〜昭和32年4月1日生まれ……62歳
・昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日生まれ……63歳
・昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日生まれ……64歳
※昭和36年4月2日以降生まれ(女性は昭和41年4月2日以降)は特別支給の厚生年金なし。
設例では、Aさんの生年月日は昭和32年5月14日とありますので、報酬比例部分の支給が63歳から開始されます。
次に、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の計算式は以下の通りです。
報酬比例部分=平均標準報酬月額×乗率×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×乗率×平成15年4月以後の被保険者期間の月数
よってパターン1の場合、Aさんの報酬比例部分の年金額は、
=300,000 円×7.125/1,000×276月+500,000 円×5.481/1,000×169月
=589,950+463,144.5
=1053094.5 → 1,053,095円(円未満四捨五入)
また、65歳未満で受け取る老齢厚生年金は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が28万円を超える場合、60歳台前半の在職老齢年金の仕組みにより、年金額の全部または一部が支給停止となります。
以上により正解は、(1) 63(歳) (2)1,053,095(円) (3)28(万円)
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