問44 2017年1月学科
問44 問題文択一問題
不動産の売買契約における民法上の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
1.売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合、その瑕疵について売主に過失がなくても、売主は、原則として、瑕疵担保責任を負わなければならない。
2.売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主が瑕疵担保責任に基づく権利を行使して契約を解除する場合、買主は、その瑕疵がある事実を知った時から2年以内に当該権利を行使しなければならない。
3.売買契約締結後、売主の責めに帰すべき事由により引渡しに履行遅滞が生じた場合、買主は、催告なく直ちに契約を解除することができる。
4.売買の目的物である建物が、売買契約締結後から引渡しまでの間に、水害等の天災により滅失した場合、売主は買主に対して売買代金の請求をすることができない。
問44 解答・解説
不動産の売買契約に関する問題です。
1.は、適切。土地や建物といった売買の目的物に隠れた瑕疵があり、売主の故意・過失による瑕疵ではなくても、売主は、原則として瑕疵担保責任を負うことになります。
2.は、不適切。土地や建物といった売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主がその事実を知らず、家を建ててそこに居住するといった契約の目的を達することができない場合、買主は瑕疵を知ってから1年以内であれば、契約解除できます。また、契約を解除できないときは損害賠償のみを請求できます。
3.は、不適切。売買契約締結後、売主の過失により引渡し予定日に引渡しができなくなった等の債務の履行遅滞が生じた場合、買主は一定の期間まで履行するように履行の催告をした上で、それでもその期間内に履行されない場合に、契約解除できます。
催告せずに契約解除できるのは、履行不能(債務を履行できない=引渡しができない等)の場合です。
4.は、不適切。売買契約後引渡しまでの間に、天災などのやむを得ない原因で建物が滅失した場合は、売主は買主に対して売買代金全額を請求することができます。
ただし、特約を付けて売主が危険負担する(代金を請求しない)ことが取引上の慣例となっています。
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