問40 2016年9月学科
問40 問題文択一問題
金融商品取引法上の財務諸表、会社法上の計算書類および法人税法上の法人税申告書に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.貸借対照表は、企業の一会計期間における経営成績を示す決算書であり、企業の経営成績について収益と費用とを対比して、その差額として利益を示す財務諸表の一つである。
2.キャッシュ・フロー計算書は、キャッシュ(現金および現金同等物)を、営業活動、投資活動、財務活動の3つに区分してその収支を計算し、一会計期間におけるキャッシュの増減を示す財務諸表の一つである。
3.株主資本等変動計算書は、貸借対照表の純資産の部の一会計期間における変動額のうち、主として、株主に帰属する部分である株主資本の各項目の変動事由を報告するために作成される計算書類の一つである。
4.法人税申告書別表四は、損益計算書の当期利益の額または当期欠損の額に法人税法上の加算または減算を行い、所得金額または欠損金額を算出する明細書である。
問40 解答・解説
企業の決算書・法人税の申告書に関する問題です。
1.は、不適切。貸借対照表は、企業の一定時点の資産と債務が記載されており、財政状態を示したものといえます。また、資金の調達源泉と使途を示したものでもあります。
企業の一会計期間における収益と費用を示したものは、損益計算書です。利益の大きさとその発生源泉(本業か臨時収入か等)を示したものでもあるため、企業の経営成績を示す財務諸表の一つです。
2.は、適切。キャッシュフロー計算書は、一会計期間における企業の資金の増減(収入と支出)を、営業活動、投資活動、財務活動の3つに区分して示したものです(事業の「結果」を資金の動きから把握したもの)。
3.は、適切。株主資本等変動計算書は、貸借対照表の純資産の変動状況を表す財務諸表で、株主資本の変動額については変動事由ごとに区分して表示されます。
4.は、適切。企業会計上は利益でも法人税法上は益金とならなかったり、企業会計上は費用でも法人税法上は損金とならなかったりします。
このため、法人税申告書別表四では、決算書の純利益・純損失に法人税法上の加算・減算を行い、所得金額・欠損金額を算出します。
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