問39 2016年9月学科
問39 問題文択一問題
会社・役員間の税務に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.会社が役員に対して退職給与を支給した場合には、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き損金の額に算入される。
2.役員が会社に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、役員については原則として所得税は課されない。
3.役員が個人で所有する土地を会社に譲渡した場合に、その譲渡対価が適正な時価の2分の1未満であったときは、適正な時価相当額で譲渡したものとされる。
4.会社が所有する社宅に役員が無償で居住している場合、役員については原則として所得税は課されない。
問39 解答・解説
法人と役員間の取引に関する問題です。
1.は、適切。会社が支払う役員退職金は、適正な額であれば、支払った金額をその事業年度に損金算入できます(ただし、一定の算定方式による算出額を超えた過大な部分については損金算入できません。)。
2.は、適切。会社は借金をしているのですから、本来一定の利子を支払う必要がありますが、役員が無利子で貸してくれたわけです。このような場合、役員側では本来受け取れる利子額について、課税されません。
個人である役員は、必ずしも営利だけを目的に行動するとは限らないため、無利子で自社や他社(例:親戚や友人の会社等)に自分のお金を貸すことがあり得ます。
このため無利子での貸付でも課税はされません。
3.は、適切。法人は役員から、もっと高いはずの資産を安く買い入れたわけです。
このような場合、法人側では時価が取得価額となり、時価と売買価額の差額が受贈益として取り扱われます。役員側では、売買価額が時価の2分の1以上の場合、実際の売買価額で譲渡所得が計算され、2分の1未満だと、適正な時価相当額で譲渡したものとみなされ、差額がみなし譲渡所得として課税されます。
4.は、不適切。役員は法人から、本来徴収される賃貸料無しに無償で貸与してもらえたわけです。従って、本来徴収されるはずの通常の賃貸料相当額が、給与所得として課税されます。
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