問24 2016年5月学科
問24 問題文択一問題
債券の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.割引債の現在価値は、将来価値(額面100円)に複利現価率を乗じたものとなる。
2.額面金額100万円につき1年間に税引前で2万円の利子が支払われる固定利付債の表面利率は、2%である。
3.短期債と長期債を比較した場合、他の条件が同じであれば、長期債の方が金利変動に伴う債券価格の変動が大きい。
4.固定利付債と変動利付債を比較した場合、他の条件が同じであれば、変動利付債の方が金利変動に伴う債券価格の変動が大きい。
問24 解答・解説
債券の特徴に関する問題です。
1.は、適切。割引債は、額面から利子相当分を割り引いた価格で発行され、満期時には額面で償還される債券ですから、その現在価値は将来償還される額面100円(将来価値)に複利現価率(現価係数)を乗じて算出されます。
将来の予定額×現価係数=現在の元金 ですから、将来の予定額=将来価値、現在の元金=現在価値ということですね。
2.は、適切。固定利付債は、発行時に定められた利子(クーポン)が償還まで変わらない利付債のことで、利付債の表面利率(クーポンレート)とは、債券の額面金額に対する毎年受け取る利子の割合です。
よって、額面×表面利率=利子額 ですので、
100万円×表面利率=2万円 ⇒ 表面利率=2.00%
3.は、適切。償還期間が10年以上である長期債は、短期債よりも、.償還時までに金利変動の影響を受ける期間が長いため、金利変動に対する価格変動幅が大きくなります。
他の条件が同じなら、その債券価格は償還期間の長さ(償還までに受け取る利子)と市場金利(同期間中に市場金利で受け取る利子)によって決まります。例えば、償還期間1年と10年の債券では、当然10年の債券の方が価格が高いです。ここで、1%の市場金利の変動があると、償還期間1年の債券にとっては金利の影響を受けるのは今後1年だけですから、大した変動ではありませんが、10年の債券にとっては今後10年間受け取る利子のオトク度に影響する変動のため、大きな値動きになってしまいます。
言い換えれば、償還期間の長い長期債の方が、償還期間中に受け取る利子に対して、同期間中に市場金利で受け取る利子の差が大きく、価格変動幅も大きいといえます。
4.は、不適切。債券の価格は、市場金利が上昇すると下落し、市場金利が低下すると上昇しますが、固定利付債と変動利付債を比較した場合、固定利付債の方が、金利の変動に対する価格変動幅は大きくなります。
他の条件が同じなら、その債券価格はクーポンと市場金利の差によって決まりますが、市場金利の変動があると、変動利付債は市場金利の変動と連動して利率が変動するため価格変動も小さいですが、固定利付債は利率が固定されているため、市場金利の変動とクーポンとの差が大きくなり、価格変動も大きな値動きになってしまいます。
言い換えれば、固定利付債の方が、市場金利の金利変動幅がクーポンに占める割合が高く、価格変動幅も大きいといえます。
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