問35 2016年1月実技資産設計提案業務

問35 問題文と解答・解説

問35 問題文

邦彦さんが平成27年中に支払った生命保険の保険料は下記<資料>のとおりである。邦彦さんの平成27年分の所得税の計算における生命保険料控除の金額を計算しなさい。なお、定期保険特約付終身保険Aについては、加入後に契約の更新・減額・変更等は行っていないものとする。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。

<資料>


<所得税の生命保険料控除額の速算表>
[平成23年12月31日以前に締結した保険契約(旧契約)等に係る控除額]
○一般生命保険料控除、個人年金保険料控除


[平成24年1月1日以降に締結した保険契約(新契約)等に係る控除額]
○一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除

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問35 解答・解説

生命保険料控除に関する問題です。

平成22年の法改正により、生命保険料控除は、一般・個人年金に加えて、介護医療保険料控除の3つになりました。

これにより、生命保険料控除の合計の上限は、所得税は10万円から12万円、住民税は5万円から7万円に変更されました。
具体的には、一般・個人年金・介護医療それぞれで、所得税4万円、住民税2万8千円の控除枠となりましたが、住民税の控除額は2万8千円×3=8万4千円とならず、7万円で切られてしまいます。
ただし、平成23年12月31日以前に締結した生命保険は、平成24年1月1日以降に契約転換や特約の中途付加を行わない限り、平成24年以降も旧生命保険料控除制度が適用されます。

従って本問の保険契約のうち、定期保険特約付終身保険は旧生命保険料控除制度が適用され、一般の生命保険料控除の対象となりますが、医療保険は新生命保険料控除制度が適用され、介護医療保険料控除の対象ととなります。
旧生命保険料控除は、一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除のそれぞれで、最高所得税5万円・住民税3.5万円の所得控除枠があります。
ただし、上限額まで控除されるのは、どちらも年間の支払保険料が10万円超(住民税は7万円超)である場合のみで、それ以下の場合は支払保険料の額に応じて、一定額が控除されます。

本問では、定期保険特約付終身保険で年間合計9万円支払っていますので、旧制度の一般の生命保険料控除の速算表により、
90,000円×1/4+2,5000円=47,500円が控除されます。
また、医療保険では、年間合計10万円支払っていますので、新制度の個人年金保険料控除の上限である4万円が控除されます。
従って、安藤邦彦さんが受けられる生命保険料控除額は、4.75万円+4万円=8.75万円 です。

よって正解は、87,500(円)

※なお、本問の場合は、加入している保険がそれぞれ「一般の生命保険料控除」と「介護医療保険料控除」の対象のため、それぞれの控除額の合計が生命保険料控除額となりましたが、もしどちらも「一般の生命保険料控除」または「介護医療保険料控除」の対象であるときは、新契約と旧契約の双方に保険料を支払っている場合、生命保険料控除は、新契約だけ・旧契約だけ・新旧の合計(ただし最高4万円)のいずれかから選択可能です。
例えば、新契約の終身保険と旧契約の終身保険を両方契約している場合、控除の上限は旧契約だけの5万円となるわけです。

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