問5 2016年1月実技資産設計提案業務
問5 問題文
下記<資料>に基づく外貨預金に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、為替差益および為替差損に対する税金は考慮しないものとする。
また、利息に対しては、各通貨建てにおける利息額の20%(復興特別所得税は考慮しない)相当額が、所得税および住民税として源泉徴収されるものとする。
<資料>
・ユーロ定期預金(1年)に10,000ユーロ預け入れる場合、必要な資金は( ア )である。
・米ドル定期預金(1年)とトルコリラ定期預金(1年)に、それぞれ100万円の範囲内(整数単位で可能な範囲)の預入れを行った場合、満期時の外貨ベースの元利合計額を円転した金額が多くなるのは( イ )定期預金(1年)である。
1.(ア)137万円 (イ)米ドル
2.(ア)137万円 (イ)トルコリラ
3.(ア)140万円 (イ)米ドル
4.(ア)140万円 (イ)トルコリラ
問5 解答・解説
外貨預金に関する問題です。
1万ユーロの定期預金ですから、預入時のレートTTS1ユーロ140.00円から、投資に必要な円は、1万ユーロ×140.00円=140万円 です。
次に、米ドルとトルコリラでそれぞれ100万円以内で外貨定期に預け入れた場合を比較します。
100万円分の外貨預金をする場合、米ドルやトルコリラとして預け入れる金額は、預入時のTTSから以下の通りとなります。
米ドル元本:100万円÷125円=8,000米ドル
トルコリラ元本:100万円÷50円=20,000トルコリラ
また、利息は年率で米ドル0.3%、トルコリラ5.0%で、1年満期ですから、1年分の利息は以下の通り。
米ドル利息:8,000米ドル×0.3%=24米ドル
トルコリラ利息:20,000トルコリラ×5.0%=1,000トルコリラ
また、米ドル・トルコリラ建ての利息額の20%が所得税・住民税として源泉徴収されます。
よって、源泉徴収後の利息額は、以下の通り。
米ドル利息(源泉後)=24米ドル×(1−20%)=19.2米ドル
トルコリラ利息(源泉後)=943トルコリラ×(1−20%)=800トルコリラ
従って、それぞれの元利合計は、
米ドル元利合計=8,000米ドル+19.2米ドル=8019.2米ドル
トルコリラ元利合計=20,000トルコリラ+800トルコリラ=20,800トルコリラ
満期時のレートは、TTB1米ドル126.00円、トルコリラ48.00円ですから、円転後の元利合計額は以下の通り。
米ドル円転後の元利合計額=8019.2米ドル×126.00円=1010419.2円
トルコリラ円転後の元利合計額=20,800トルコリラ×48.00円=998,400円
よって、満期時の円転後の元利合計額を比較すると、米ドルの方が多くなります。
従って正解は、3.(ア)140万円 (イ)米ドル
なお、顧客が円を外貨に換える際の為替レートはTTSで、顧客が外貨を円に換える際の為替レートがTTBです。
TTS…「顧客が円売り」もしくは「銀行が外貨売り」ですので、「売り」=Sell
TTB…「顧客が円買い」もしくは「銀行が外貨買い」ですので、「買い」=Buy
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