問3 2016年1月実技個人資産相談業務

問3 問題文と解答・解説

問3 問題文

Mさんは、Aさんに対して、AさんがX社の継続雇用制度を利用して、同社に60歳以後も厚生年金保険の被保険者として勤務した場合における社会保険からの給付について説明した。Mさんが説明した次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

(1) 「Aさんが63歳到達日にX社を退職し、その後再就職しない場合、Aさんが退職後に受給できる特別支給の老齢厚生年金の年金額は、長期加入者の特例により、定額部分の額と報酬比例部分の額を合算した額に加給年金額を加算した額となります」

(2) 「Aさんが特別支給の老齢厚生年金の受給権取得日以後もX社に勤務した場合、特別支給の老齢厚生年金は、Aさんの総報酬月額相当額と基本月額との合計額が28万円(平成27年度の支給停止調整開始額)を超える場合に年金額の一部または全部が支給停止となります」

(3) 「Aさんが特別支給の老齢厚生年金の受給権取得日以後もX社に勤務し、特別支給の老齢厚生年金と雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金とを同時に受けられる場合、特別支給の老齢厚生年金は、在職支給停止の仕組みに加えて、高年齢雇用継続給付との調整により、毎月、標準報酬月額の8%に相当する額を上限として年金額が支給停止となります」

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問3 解答・解説

長期加入者の特例・在職老齢年金・高年齢雇用継続給付に関する問題です。

(1) は、○。Aさんは昭和32年4月10日生まれのため、本来であれば定額部分の年金は支給されません。しかし、63歳まで厚生年金に加入すると、加入期間が44年(528月)以上となるため、「長期加入者の特例(44年特例)」により、定額部分の年金も支給対象となります。
(平成15年3月までの324月+平成15年4月以後の168月+61〜63歳までの36月=加入期間528月=44年)
よって、特別支給の老齢厚生年金の支給額は、定額+報酬比例+加給の合計額となります。

(2) は、○。65歳未満で受け取る老齢厚生年金は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が28万円を超える場合、60歳台前半の在職老齢年金の仕組みにより、年金額の全部または一部が支給停止となります。

(3) は、×。基本月額(月額換算の年金)と総報酬月額相当額(月額換算の賃金)の合計が28万円を超えると、60歳台前半の「在職老齢年金」の仕組みが適用され、年金の一部または全部が支給停止となります。
さらに、高年齢雇用継続給付と特別支給の老齢厚生年金(在職老齢年金)を同時に受給する場合、60歳以降の賃金の低下割合に応じて、標準報酬月額の6%を限度に在職老齢年金が支給停止されます(併給調整)。

問2             第2問

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