問2 2016年1月実技個人資産相談業務

問2 問題文と解答・解説

問2 問題文

Aさんが、60歳でX社を退職し、その後再就職しない場合に、原則として65歳から受給することができる老齢厚生年金の年金額を、〔計算過程〕を示して求めなさい。なお、年金額は平成27年10月時点の価額(本来水準による価額)に基づくものとし、計算にあたっては、《設例》および下記の〈資料〉を利用すること。また、下記の〈計算手順〉に従って解答用紙に記入すること。

〈計算手順〉
1.報酬比例部分の額(円未満四捨五入)
2.経過的加算額(円未満四捨五入)
3.基本年金額(上記「1+2」の額)
4.加給年金額
5.老齢厚生年金の年金額

〈資料〉
老齢厚生年金の年金額(平成27年10月時点の本来水準による価額)
 下記、老齢厚生年金の計算式のT)+U)+V)

老齢厚生年金の計算式
T)報酬比例部分の額=(1)+(2)
(1) 平成15年3月以前の期間分
平均標準報酬月額×7.125/1,000×平成15年3月以前の被保険者期間の月数
(2)平成15年4月以後の期間分
平均標準報酬額×5.481/1,000×平成15年4月以後の被保険者期間の月数

U)経過的加算額=1,626円×被保険者期間の月数−780,100円×{昭和36年4月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間の月数/(加入可能年数×12)}

V)加給年金額=390,100円(要件を満たしている場合のみ加算すること)

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問2 解答・解説

老齢厚生年金の支給額に関する問題です。

老齢厚生年金額は、まず、報酬比例部分の年金額を求めます。
報酬比例部分=(平均標準報酬月額×乗率×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×乗率×平成15年4月以後の被保険者期間の月数)(注)
(注)マクロ経済スライドの発動により、物価スライド率の計算(平成26年度は1.031×0.961)は無し

問題にあるように、Aさんの平成15年3月までの平均標準報酬月額40万円・被保険者月数324月で、平成15年4月以降の平均標準報酬額50万円・被保険者月数168月です。
=400,000円×7.125/1000×324月+500,000円×5.481/1000×168月
=923,400円+460,404円
=1,383,804 円

次に経過的加算額は、定額部分の年金額と老齢基礎年金の差額で、以下の計算式となります。
経過的加算額=定額部分−老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
※定額部分=1,626円×被保険者月数
※老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
 =満額の基礎年金×(20歳以上60歳未満の被保険者月数(注))/(加入可能年数×12)
(注) 昭和36年4月以後の厚生年金

定額部分の年金は、生まれた年によって、被保険者期間の月数の上限が異なります。
昭和 9年4月2日〜昭和19年4月1日生まれ……上限444月
昭和19年4月2日〜昭和20年4月1日生まれ……上限456月
昭和20年4月2日〜昭和21年4月1日生まれ……上限468月
昭和21年4月2日以後生まれ………………………上限480月
Aさんの被保険者期間は、477月+15月=492月ですが、昭和32年生まれなので、上限480月として計算されます。

また、Aさんの「20歳以上60歳未満の被保険者月数」は、会社員だった480月です。
さらに、Aさんの加入可能年数は、20歳以上60歳未満の40年ですので、40年×12月=480月 です。

よって、定額部分=1,626円×480月=780,480円
老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額=780,100円×480月/(40年×12)
=780,100円

従って、経過的加算額=780,480円−780,100円=380円

よって、老齢厚生年金の基本年金額=報酬比例部分+経過的加算
=1,383,804 円+380円
=1,384,184円

最後に配偶者の加給年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上で、65歳未満の配偶者がいる場合には、老齢厚生年金に加給年金が加算されますが、Aさんの厚生年金の被保険者期間は492月(41年)のため、加給年金の支給対象です。

よって、Aさんが受け取る老齢厚生年金額は、1,384,184 円+390,100 円=1,774,284 円 です。

※これまで、年金の支給額の計算問題では、物価スライド特例措置の適用を前提に、物価スライド率や旧乗率を使って計算するのが当たり前だったのが、2015年度(平成27年度)からマクロ経済スライドの発動により、本来水準の年金支給額を計算するようになりました。

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