問12 2016年1月実技中小事業主資産相談業務

問12 問題文と解答・解説

問12 問題文

X社が、以下の〈条件〉で所有する土地を譲渡して甲土地を取得し、「特定の資産の買換えの場合の課税の特例」(租税特別措置法第65条の7)の適用を受けた場合の圧縮限度額を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は万円単位とすること。なお、譲渡資産および買換資産は、いずれも地域再生法に規定する集中地域以外の地域内に所在しているものとする。

〈条件〉
・譲渡資産の譲渡価額 : 2億円
・譲渡資産の帳簿価額 : 7,000万円
・譲渡費用      : 1,000万円
・買換資産の取得価額 : 1億円

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問12 解答・解説

圧縮記帳の特例(特定の資産の買換え特例)に関する問題です。

圧縮記帳の特例(特定資産の買換え特例)は、買換資産の取得価額よりも譲渡資産の譲渡価額の方が多い場合、譲渡益の一定限度額までを圧縮記帳し、課税を繰り延べられる特例です。
ただし、譲渡資産・買換資産ともに棚卸資産等には適用不可です。

また、買換資産については、譲渡日の属する事業年度内で取得し、取得日から1年以内に事業の用に供することが必要です。

圧縮限度額の計算式は以下の通りです。
圧縮限度額=圧縮基礎取得価額×差益割合×80/100

注1)「圧縮基礎取得価額」とは、買換資産の取得価額か、譲渡資産の譲渡価額のうち、額の少ない方です。
注2)「差益割合」は、差益割合={譲渡価額−(譲渡資産の帳簿価額+譲渡費用)}÷譲渡価額 で計算します(つまり譲渡資産を売って儲かった分の金額が、売った額のどれくらいの割合を占めているかってことですね)。

よって本問の場合、買換資産の取得価額1億円<譲渡資産の譲渡価額2億円ですので、圧縮基礎取得価額=1億円です。
また、差益割合={2億円−(7,000万円+1,000万円)}÷2億円=0.6
従って、圧縮限度額=1億円×0.6×80/100=4,800万円

以上により正解は、4,800(万円)

問11             第5問

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