問34 2016年1月学科

問34 問題文と解答・解説

問34 問題文択一問題

所得税における譲渡損失の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.生活用動産を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税の対象となる譲渡所得の金額と通算することができる。

2.ゴルフ会員権を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。

3.上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額と、非上場株式の配当金に係る配当所得の金額は、確定申告をすることにより、損益通算することができる。

4.居住用財産を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、所定の要件を満たせば、その損失が生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることができる。

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問34 解答・解説

所得税の損益通算に関する問題です。

1.は、不適切。生活用動産の譲渡は、利益については非課税とされ、逆に損失が生じても損失がなかったものとみなされる(0円)ため、他の総合課税の譲渡所得と通算できません

2.は、適切。ゴルフ会員権は、平成26年3月31日までに売却した場合は、損失は他の総合課税の所得との損益通算が可能でしたが、総合課税の譲渡所得ではあるものの、平成27年4月1日以降は損失が出ても損益通算の対象外となりました。

3.は、不適切。上場株式の譲渡損失は、同一年の上場株式の譲渡所得や申告分離課税を選択した配当所得と損益通算できますが、非上場株式の譲渡所得や配当所得とは損益通算不可です(平成28年1月より)。

4.は、不適切。土地・建物の譲渡所得は、分離課税のため、他の所得と損益通算できませんが、自宅(居住用財産)を譲渡した場合の損失については、給与所得等と損益通算できる特例(居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例)があります。ただし、この特例は損失を今年の所得と損益通算するか、翌年以降に繰り越すもので、前年に繰り戻して還付を受けることはできません。

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