問42 2015年10月学科

問42 問題文と解答・解説

問42 問題文択一問題

不動産の売買契約において、買主が不動産の引渡しを受けた後、隠れた瑕疵があることを発見した場合における法律上の売主の瑕疵担保責任に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.瑕疵担保責任に関する特約が締結されていない場合、買主が瑕疵担保責任に基づく権利を行使するためには、買主は、瑕疵が売主の責めに帰すべき事由により生じたものであることを立証しなければならない。

2.瑕疵担保責任に関する特約が締結されていない場合、買主が瑕疵担保責任に基づく権利を行使するためには、民法上、買主は、瑕疵がある事実を知った時から1年以内に当該権利を行使しなければならない。

3.瑕疵担保責任を負わない特約が定められていても、民法上、売主は、知っていて買主に告げなかった瑕疵については、瑕疵担保責任を負わなければならない。

4.売主が事業者、買主が消費者の場合、事業者が瑕疵担保責任を一切負わない旨の特約は、消費者契約法により、原則として無効とされる。

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問42 解答・解説

不動産の売買契約に関する問題です。

1.は、不適切。土地や建物といった売買の目的物に隠れた瑕疵があり、売主の故意・過失による瑕疵ではなくても、売主は、原則として瑕疵担保責任を負うことになります。
つまり、「売主の責めに帰すべき事由」=「売主の故意・過失」による欠陥だと買主が証明する必要はありません

2.は、適切。土地や建物といった売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主がその事実を知らず、家を建ててそこに居住するといった契約の目的を達することができない場合、買主は瑕疵を知ってから1年以内であれば、契約解除できます。また、契約を解除できないときは損害賠償のみを請求できます。

3.は、適切。両者の合意により売主が瑕疵担保責任を負わないとする免責特約を定めた場合でも、売主が瑕疵があることを知りながら買主に告げないときは、売主は瑕疵担保責任を負います

4.は、適切。民法の瑕疵担保責任は任意規定のため、売主と買主の合意により売主の瑕疵担保責任を軽減・免除する特約は有効ですが、売主が宅地建物取引業者である場合や、売主が瑕疵があることを知りながら買主に告げないときは無効となります。

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