問3 2015年9月実技個人資産相談業務
問3 問題文
仮に、Aさんが現時点(平成27年9月13日)で死亡し、妻Bさんが遺族厚生年金の受給権を取得した場合、受給権取得時における妻Bさんの遺族厚生年金の年金額を、解答用紙の手順に従い、計算過程を示して求めなさい。なお、年金額は平成27年度価額(本来水準による価額)に基づくものとし、計算にあたっては、《設例》および下記の〈資料〉を利用すること。また、端数処理は、解答用紙の指示に従うこと。
〈資料〉
遺族厚生年金の計算式(本来水準による価額)
遺族厚生年金の年金額=基本額+中高齢寡婦加算額
@)基本額(厚生年金保険の被保険者期間がすべて平成15年4月以後である場合)
基本額=平均標準報酬額×(5.481/1,000)×□□□月×(△/□)
A)中高齢寡婦加算額 585,100円(要件を満たしている場合のみ加算すること)
※問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」「△」「□」で示してある。
問3 解答・解説
遺族厚生年金の支給額に関する問題です。
遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者が死亡した場合、その被保険者によって生計を維持されていた配偶者および子、父母、孫、祖父母(←支給順位順)に、支給されます(最高順位の者以外には受給権無し)。
支給額は死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3で、被保険者期間が300月未満の場合は300月とみなして計算する最低保障 がついています。
Aさんの被保険者期間は、125月で300月未満のため、被保険者期間を300月とみなして計算することになりますが、厚生年金保険の被保険者期間がすべて平成15年4月以後であるため、計算上は125月を使わずに、単純に被保険者期間を300月として計算するだけです。
※平成15年3月以前の被保険者期間がある場合、平成15年3月以前と平成15年4月以後でそれぞれ指定の計算式で分けて計算し、最終的に(300/被保険者期間の合計)を乗じることが必要です。
※マクロ経済スライドの発動により、平成27年度は物価スライド率の計算(平成26年度は1.031×0.961)は無くなりました。
遺族厚生年金額=400,000×5.481/1,000×300月×3/4
=493,290 円
⇒493,300 円(50 円以上100 円未満切上げ)
また、夫死亡時に40歳以上で子のいない妻や、子があってもその子が遺族基礎年金における加算対象外となったときに40歳以上の妻には、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が加算されます。
夫が32歳で死亡時、妻は30歳ですので、中高齢寡婦加算はありません。
なお、現時点での胎児を出産した時点で遺族基礎年金の受給権を妻が取得し、その後、子が18歳になった後に中高齢寡婦加算が加算されます。
以上により正解は、493,300(円)
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