問4 2015年9月実技生保顧客資産相談業務
問4 問題文
はじめに、Mさんは、Aさんに対して、下記の<前提>においてAさんが死亡した場合、妻Bさんが受給することができる公的年金制度からの遺族給付について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のイ〜ヲのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。
<前提>
・妻Bさんは、遺族基礎年金および遺族厚生年金の受給権を取得する。
・妻Bさん、長女Cさんおよび二女Dさんは、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
「現時点において、Aさんが死亡した場合、妻Bさんに対して遺族基礎年金および遺族厚生年金が支給されます。遺族基礎年金を受けられる遺族の範囲は、死亡した被保険者によって生計を維持されていた『子のある配偶者』または『子』です。『子』とは、( 1 )歳到達年度の末日までの間にあり、かつ、現に婚姻していない子を指します。なお、妻Bさんが受け取る遺族基礎年金の額は、『子』が2人のため、( 2 )円(平成27年度価額)になります。
遺族厚生年金の額は、原則として老齢厚生年金の報酬比例部分の額の( 3 )相当額になります。また、二女Dさんについて( 1 )歳到達年度の末日が終了し、妻Bさんの有する遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、妻Bさんが65歳に達するまでの間、妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額に( 4 )が加算されます。なお、( 4 )の額は585,100円(平成27年度価額)になります」
〈語句群〉
イ.15 ロ.18 ハ.20 ニ.854,900 ホ.1,004,600
へ.1,229,100 ト.2分の1 チ.3分の2 リ.4分の3
ヌ.経過的寡婦加算 ル.中高齢寡婦加算 ヲ.寡婦年金
問4 解答・解説
遺族基礎年金・遺族厚生年金に関する問題です。
遺族基礎年金は、子供や子供のいる配偶者が支給対象で、支給要件は以下全てを満たすことが必要です。
●配偶者の場合:被保険者(夫・妻)が死亡した当時、生計維持関係にあり、子どもと同一生計。
●子の場合 :被保険者(父・母)が死亡した当時、生計維持関係にあり、18歳未満(18歳到達年度末まで可)、または20歳未満で障害有り。かつ、結婚していない。
遺族基礎年金は、子どもの人数に応じて、支給額が増加し、子ども2人までは1人当りそれぞれ同額が加算されますが、3人目以降は1人増えるごとに約3分の1程度の加算額となります(金額は平成27年度価額)。
遺族基礎年金=780,100円+子の加算
※子の加算:第1子・第2子 各224,500円、第3子以降 各74,800円
従って、妻Bさんに支給される遺族基礎年金の支給額は、780,100円+224,500円×2人=1,229,100円 です。
また、遺族厚生年金の支給額は死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3で、夫死亡時に40歳以上で子のいない妻や、子があってもその子が遺族基礎年金における加算対象外となったときに40歳以上の妻には、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が加算されます。
夫が38歳で死亡時、妻は36歳で子どもがいて遺族基礎年金の加算対象ですので、中高齢寡婦加算はありませんが、子が18歳になった後に65歳まで加算されます。
※なお、65歳になって中高齢寡婦加算が終了しても、自身の老齢基礎年金が中高齢寡婦加算よりも少ない場合には、差額が経過的寡婦加算として加算されます(昭和31年4月1日以前に生まれた人まで)。
※寡婦年金は、子のない妻に対し、老齢基礎年金の支給開始まで支給されるものです。
以上により正解は、(1) ロ.18 (2) へ.1,229,100 (3) リ.4分の3 (4) ル.中高齢寡婦加算
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