問12 2015年5月実技資産設計提案業務

問12 問題文と解答・解説

問12 問題文

近藤雅之さんが平成26年中に支払った生命保険の保険料は下記<資料>のとおりである。この場合、雅之さんの平成26年分の所得税の計算における生命保険料控除の金額として、正しいものはどれか。なお、下記<資料>の保険について、これまでに契約内容の変更は行われていないものとする。

<資料>
[終身保険(無配当)]
契約日  :平成23年3月1日
保険契約者:近藤雅之
被保険者 :近藤雅之
死亡保険金受取人:近藤愛子(妻)
平成26年の年間支払保険料:135,000円

[個人年金保険(税制適格特約付)]
契約日  :平成25年11月1日
保険契約者:近藤雅之
被保険者 :近藤雅之
年金受取人:近藤雅之
平成26年の年間支払保険料:120,000円
平成26年の配当金:なし

【参考:所得税の生命保険料控除額の速算表】
<平成23年12月31日以前に締結した保険契約(旧契約)等に係る控除額>
[一般生命保険料控除、個人年金保険料控除]


<平成24年1月1日以降に締結した保険契約(新契約)等に係る控除額>
[一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除]


1.40,000円

2.80,000円

3.90,000円

4.100,000円

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問12 解答・解説

生命保険料控除に関する問題です。

平成22年の法改正により、生命保険料控除は、一般・個人年金に加えて、介護医療保険料控除の3つになりました。

これにより、生命保険料控除の合計の上限は、所得税は10万円から12万円、住民税は5万円から7万円に変更されました。
具体的には、一般・個人年金・介護医療それぞれで、所得税4万円、住民税2万8千円の控除枠となりましたが、住民税の控除額は2万8千円×3=8万4千円とならず、7万円で切られてしまいます。
ただし、平成23年12月31日以前に締結した生命保険は、平成24年1月1日以降に契約転換や特約の中途付加を行わない限り、平成24年以降も旧生命保険料控除制度が適用されます。

従って本問の保険契約のうち、終身保険は旧生命保険料控除制度が適用され、一般の生命保険料控除の対象となりますが、個人年金保険は新生命保険料控除制度が適用され、個人年金保険料控除の対象ととなります。
旧生命保険料控除は、一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除のそれぞれで、最高所得税5万円・住民税3.5万円の所得控除枠があります。
ただし、上限額まで控除されるのは、どちらも年間の支払保険料が10万円超(住民税は7万円超)である場合のみで、それ以下の場合は支払保険料の額に応じて、一定額が控除されます。

本問では、終身保険で年間合計13.5万円支払っていますので、旧制度の一般の生命保険料控除の上限である5万円が控除されます。
また、個人年金保険では、年間合計12万円支払っていますので、新制度の個人年金保険料控除の上限である4万円が控除されます。
従って、室井武史さんが受けられる生命保険料控除額は、5万円+4万円=9万円 です。

よって正解は、3. 90,000円

※なお、本問の場合は、加入している保険がそれぞれ「一般の生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」の対象のため、それぞれの控除額の合計が生命保険料控除額となりましたが、もしどちらも「一般の生命保険料控除」または「個人年金保険料控除」の対象であるときは、新契約と旧契約の双方に保険料を支払っている場合、生命保険料控除は、新契約だけ・旧契約だけ・新旧の合計(ただし最高4万円)のいずれかから選択可能です。
例えば、新契約の終身保険と旧契約の終身保険を両方契約している場合、控除の上限は旧契約だけの5万円となるわけです。

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