問20 2015年5月学科

問20 問題文と解答・解説

問20 問題文択一問題

損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない特約については考慮しないものとする。

1.宿泊業を営む企業が、クロークで客から預かった荷物の盗難や汚損・毀損に備えて、請負業者賠償責任保険を契約した。

2.飲食店を営む企業が、食中毒が発生することによる売上げの減少に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。

3.遊園地を運営する企業が、遊具の点検・整備中に従業員がケガをした場合に備えて、施設所有(管理)者賠償責任保険を契約した。

4.食料品製造業を営む企業が、工場建物が地震により倒壊・火災の被害を受けた場合に備えて、地震危険担保特約を付帯した火災保険を契約した。

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問20 解答・解説

損害保険による事業活動のリスク管理に関する問題です。

1.は、不適切。請負業者賠償責任保険は、請負業務の遂行中や、請負業務を行うために所有・使用・管理する施設に起因する対人・対物事故について、請負業者の損害賠償責任を補償する保険ですので、客から預かった荷物の盗難や汚損・毀損は補償されません。
他人から預かった物に対する損害賠償責任を補償するのは、受託者賠償責任保険です(焼失・破損・紛失・盗難等を補償)。

2.は、不適切。生産物賠償責任保険(PL保険)は、企業等が製造・販売した商品などによる事故で、他者への損害賠償責任が発生した場合、被害者の治療費や慰謝料といった企業側の損害額を補償する保険ですので、食中毒発生による売上の減少に対する備えとしては不適切で、店舗休業保険が適切です。
店舗休業保険は、火災や爆発等の災害による営業休止や阻害された場合の利益減少等の休業損失を補償しますが、食中毒やその他感染症による損失も補償対象です。

3.は、不適切。施設所有(管理)者賠償責任保険は、施設の安全性の維持・管理の不備や、施設の用法に伴う業務遂行に起因する対人・対物事故について、施設所有(管理)者の損害賠償責任を補償する保険ですので、自社の従業員が業務中にケガをした場合の備えとしては不適切で、労働災害総合保険が適切です。
労働災害総合保険は、労働災害が起きたとき、企業が従業員に支払う補償金・賠償金を補償するもので、政府労災の上乗せとして、法定外補償が給付されます。

4.は、適切。地震危険担保特約は、地震による事業用建物の倒壊・火災の損害を補償する特約で、火災保険等に付帯します。

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