問55 2015年1月学科
問55 問題文択一問題
成年後見制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.法定後見制度には、精神上の障害による本人の判断能力の程度によって、後見、保佐および補助の3種類の類型がある。
2.精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者について、家庭裁判所に後見開始の審判を請求することができる者には、本人またはその配偶者のほか、本人の4親等内の親族も含まれる。
3.成年後見人となるためには、弁護士や司法書士などの法律上定められた所定の資格を有している必要がある。
4.成年後見人は、成年被後見人が自ら行った法律行為について、日用品の購入その他日常生活に関する行為を除き、取り消すことができる。
問55 解答・解説
成年後見制度に関する問題です。
1.は、適切。成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度の2つがあり、法定後見制度では判断能力の低下の程度順に、「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれています(後見が一番判断能力が低い)。
2.は、適切。判断能力が低下した場合、本人、配偶者、4親等内の親族等の申立権者が家庭裁判所に対して、後見、保佐または補助開始の審判を申し立てることが可能です(親族のほか、後見人や保佐人・補助人、その監督人、検察官等も申立人として審判請求可能です)。
3.は、不適切。成年後見人には特別な資格は不要ですので、一般的には親族がなることも多いです(財産管理は親族、法的手続きは弁護士や司法書士、社会福祉法人が行う複数後見も可能です。)。
4.は、適切。法定後見制度における成年後見人は、被後見人本人が行った不利益な法律行為を、後から取り消すことができます(日用品(食料品・衣料品等)の購入など「日常生活に関する行為」は、取消しの対象外)。
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