問16 2014年9月実技資産設計提案業務
問16 問題文
西里さん(45歳)は個人で美容室を営む自営業者(青色申告者)である。平成26年分の西里さんの美容室の売上高等が下記<資料>のとおりである場合、西里さんの平成26年分の所得税における事業所得に関する次の(ア)〜(エ)の記述について、正しいものには○、誤っているものには×を解答欄に記入しなさい。
<資料>
(1)売上高 :21,300,000円
(2)売上原価 : 2,343,000円
(3)必要経費 : 9,162,000円
(4)青色事業専従者給与 : 4,200,000円
※青色事業専従者給与は西里さんの妻(43歳)に対して支払われたものであり、この金額は(3)の必要経費には含まれていない。
※西里さんは、青色申告特別控除(650,000円)の適用を受ける要件を満たしている。
(ア)西里さんの妻に対する青色事業専従者給与(4,200,000円)は、事業所得を計算する際、必要経費(9,162,000円)とは別に売上高から控除する。
(イ)西里さんは妻に対して青色事業専従者給与を支給しているが、西里さんが確定申告をする際、妻は配偶者控除の対象となる。
(ウ)西里さんが必要経費を計算する際、平成26年中に使用した水道光熱費や通信費などは、年末に未払いとなっているものであっても必要経費に含める。
(エ)事業所得の計算の基になった現金出納帳や請求書などの資料は、確定申告が終わったらすぐに処分してもよい。
問16 解答・解説
青色申告に関する問題です。
(ア)は、○。青色申告することで、青色事業専従者給与として、同一生計の配偶者や親族に支払った給与を必要経費に算入できます。本問では、資料の必要経費916.2万円には妻に支払った給与420万円が含まれていないため、事業所得を計算する際に、別途売上高から控除することになります。
(イ)は、×。配偶者に青色事業専従者として給与を支払っている場合、配偶者の合計所得金額に関わらず、配偶者控除も配偶者特別控除も適用されません。
(ウ)は、○。事業所得の計算上、青色申告特別控除10万円の場合は現金主義(実際の入出金時点で記帳)で計算し、青色申告特別控除65万円の場合は発生主義(取引発生時点で記帳)で計算します。
問題文には「65万円控除を適用」とあるため、年末時点で未払いになっている必要経費であっても、経費自体は発生している(電気・ガス・水道やネット・電話は使用されている)と考えるため、必要経費に含まれます。
同時に、年末時点でまだ入金されていない取引であっても、契約が成立していれば、売上(売掛金)に含めることになります。
(エ)は、×。事業所得者は、収入や経費を記載した帳簿書類(貸借対照表や現金出納帳等)を7年間保存することが必要です。
(帳簿書類の保存義務は、以前は青色申告者のみでしたが、平成26年1月より、全ての事業所得者に義務化されました。)
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