問15 2014年9月学科
問15 問題文択一問題
契約者(=保険料負担者)および死亡保険金・満期保険金受取人が法人、被保険者が役員・従業員である養老保険(無配当保険)から法人が受け取った保険金や解約返戻金の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.法人が死亡保険金を受け取った場合、資産に計上している保険料積立金を取り崩し、受け取った死亡保険金との差額を雑収入(または雑損失)として経理処理する。
2.法人が解約返戻金を受け取った場合、資産に計上している保険料積立金を取り崩し、受け取った解約返戻金との差額を雑収入(または雑損失)として経理処理する。
3.満期時に法人が満期保険金を受け取らずに据え置いた場合、据置保険金を実際に受け取るまでは経理処理する必要がない。
4.法人が満期保険金を年金で受け取ることが契約時に定められていた場合、その年金を受け取る都度、資産に計上している保険料積立金のうち受け取った年金額に対応する金額を取り崩し、受け取った年金額との差額を雑収入(または雑損失)として経理処理することができる。
問15 解答・解説
法人の生命保険の経理処理に関する問題です。
1.は、適切。死亡・満期保険金受取人=法人とする養老保険では、最終的に必ず法人が保険金を受け取ることができることから、支払保険料の全額を資産計上します。よって、死亡保険金受取時には、資産計上していた金額を取り崩し、受け取った死亡保険金との差額を、雑収入として益金算入もしくは雑損失として損金算入します。
2.は、適切。死亡・満期保険金受取人=法人とする養老保険では、最終的に必ず法人が保険金を受け取ることができることから、支払保険料の全額を資産計上します。よって、解約時の解約返戻金受取時には、資産計上していた金額を取り崩し、受け取った解約返戻金との差額を、雑収入として益金算入もしくは雑損失として損金算入します。
3.は、不適切。養老保険の満期保険金は、満期時に受け取らず、受取時期を先延ばし(据え置き)することができますが、据置保険金は、満期時に満期保険金を受取ったものとして経理処理します。
4.は、適切。満期保険金を年金形式で受け取る場合、資産計上している保険料積立金のうち、受け取った年金額に対応する金額を取り崩し、受け取った年金額との差額を雑収入(または雑損失)として経理処理できます。
年金形式での受け取りは、一度に多額の雑収入が発生しないため、節税対策を講じやすいというメリットがあります。
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