問55 2014年5月学科

問55 問題文と解答・解説

問55 問題文択一問題

遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.自筆証書遺言は、遺言者自身が作成したことが明らかであれば、ワープロやパソコンにより作成しても差し支えないが、日付および氏名は自書しなければならない。

2.公正証書遺言は、証人2人以上の立会いの下で作成され、その公正証書の原本が公証役場に保存される。

3.遺言者が公正証書遺言の全部または一部を撤回するためには、新たな公正証書遺言を作成しなければならず、自筆証書遺言では撤回することができない。

4.遺言による遺産分割方法の指定や遺贈により相続人の遺留分が侵害された場合、その遺言は無効である。

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問55 解答・解説

遺言に関する問題です。

1.は、不適切。自筆証書遺言とは、遺言者が遺言の全文、日付および氏名を自書して印を押すもので、パソコンやワープロ等で作成したものは無効です。

2.は、適切。公正証書遺言とは、公証人役場で証人2名以上の立会いのもと、公正証書で遺言を作成することです。
遺言書の原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざん等のおそれがなく、安全性は高いですが、費用と証人2名を要する等、手続が煩雑というデメリットがあります。

3.は、不適切。遺言の撤回は、遺言書の形式に関わらず可能なため、新しい遺言書が有効となります。
また、前の遺言が後の遺言と抵触する場合、抵触部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます
つまり、遺言者は、遺言の一部だけを撤回できます。後から気が変わって「やっぱりあいつには相続させたくない!」と思えばその部分だけ撤回できるわけです。

4.は、不適切。遺言による遺産分割方法の指定や遺贈により、相続人の遺留分が侵害された場合でも、遺言自体は有効です。
ただし、相続人が遺留分減殺請求権を行使した場合には、侵害された遺留分については無効となります。

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