問5 2014年5月学科
問5 問題文択一問題
老齢厚生年金の繰上げ支給および繰下げ支給に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.老齢厚生年金の繰上げ支給を請求するときは、その請求と同時に老齢基礎年金の繰上げ支給の請求もしなければならない。
2.老齢厚生年金の繰上げ支給を請求して受給権が発生した後は、その裁定の取消しや変更はできない。
3.特別支給の老齢厚生年金を受給した者は、65歳から受給することができる老齢厚生年金を66歳以降に繰り下げて受給することはできない。
4.老齢厚生年金の繰下げ支給の増額率は、繰り下げた月数に0.7%を乗じて得た率(最大42%)となる。
問5 解答・解説
老齢厚生年金に関する問題です。
1.は、適切。老齢厚生年金の繰上げは、老齢基礎年金と同時に請求しなければならないため、老齢厚生年金の支給開始年齢を繰り上げると、老齢基礎年金も同時に繰上げ受給することになります。
2.は、適切。年金の支給繰上げ・繰下げをした場合、取消しや受給開始年齢の変更はできません。
3.は、不適切。60歳代前半から、特別支給の老齢厚生年金を受給した人でも、65歳からの老齢厚生年金を66歳以降に繰下げて受給可能です。
例えば、64歳まではそれなりに仕事を続けながら特別支給の老齢厚生年金を受給し、65歳からは老齢厚生年金は繰下げて、老齢基礎年金を受給しながら少し働き、70歳くらいで完全引退して老齢厚生年金も受け取る、ということも可能なわけです(年金の支給繰下げは、老齢基礎年金と老齢厚生年金の同時繰下げや、いずれか一方だけの繰下げも可能です。)。
4.は、適切。支給繰下げをした場合、年金は1カ月当たり0.7%増額されます。
65歳からの年金を、5年繰下げて70歳から受給することで、増額率は最大42%となります。
繰下げによる増額率=5年×12月×0.7%=42%
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