問2 2014年1月実技個人資産相談業務
問2 問題文
Mさんは,AさんがX社の継続雇用制度を利用して,60歳以後も継続勤務した場合における特別支給の老齢厚生年金について説明した。
Mさんが,Aさんに対して説明した以下の文章の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な語句を,下記の〈語句群〉のイ〜リのなかから選び,その記号を解答用紙に記入しなさい。
「Aさんは,原則として( 1 )から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金を受給することができます。ただし,Aさんが( 1 )以後も厚生年金保険の被保険者としてX社に勤務する場合,特別支給の老齢厚生年金は,( 2 )との間で調整が行われ,年金額の一部または全部が支給停止となる場合があります。
また,特別支給の老齢厚生年金は,Aさんが,厚生年金保険の被保険者期間が( 3 )以上となった後にX社を退職して再就職しない場合に,年金額の改定が行われます。この場合,特別支給の老齢厚生年金の額は,長期加入者の特例の規定に基づいて算出されます」
〈語句群〉
イ.60歳 ロ.62歳 ハ.64歳 ニ.報酬月額 ホ.標準報酬月額
へ.総報酬月額相当額 ト.42年 チ.43年 リ.44年
問2 解答・解説
特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢・在職老齢年金・44年特例に関する問題です。
65歳前の老齢厚生年金は、「特別支給の老齢厚生年金」として、定額部分と報酬比例部分があり、昭和30年4月2日〜昭和32年4月1日生まれの男性は、62歳〜65歳になるまで報酬比例部分のみ支給されます。
<定額部分の支給開始年齢>(女性は各5年遅れ)
・昭和16年4月1日以前生まれ……………………60歳
・昭和16年4月2日〜昭和18年4月1日生まれ……61歳
・昭和18年4月2日〜昭和20年4月1日生まれ……62歳
・昭和20年4月2日〜昭和22年4月1日生まれ……63歳
・昭和22年4月2日〜昭和24年4月1日生まれ……64歳
※昭和24年4月2日以降生まれ(女性は昭和29年4月2日以降)は報酬比例部分のみ。
<報酬比例部分の支給開始年齢>(女性は各5年遅れ)
・昭和28年4月1日以前生まれ……………………60歳
・昭和28年4月2日〜昭和30年4月1日生まれ……61歳
・昭和30年4月2日〜昭和32年4月1日生まれ……62歳
・昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日生まれ……63歳
・昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日生まれ……64歳
※昭和36年4月2日以降生まれ(女性は昭和41年4月2日以降)は特別支給の厚生年金なし。
設例では、Aさんの生年月日は昭和30年4月9日とありますので、定額部分の支給はなく、報酬比例部分の支給が62歳から開始されます。
ただし、年金支給開始年齢に到達した後も、厚生年金の被保険者として勤務する場合には、60歳台前半の「在職老齢年金」の仕組みが適用されます。
これにより、総報酬月額相当額(賞与を含む賃金)に応じて、年金の一部または全部が支給停止となる場合があります。
なお、Aさんは昭和30年4月9日生まれのため、本来であれば定額部分の年金は支給されません。しかし、63歳まで厚生年金に加入すると、加入期間が44年(528月)以上となるため、「長期加入者の特例(44年特例)」により、定額部分の年金も支給対象となります。
(平成15年3月までの348月+平成15年4月以後の144月+61〜63歳までの36月=加入期間528月=44年)
以上により正解は、(1)ロ.62歳 (2)へ.総報酬月額相当額 (3)リ.44年
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