問6 2013年9月実技個人資産相談業務
問6 問題文
Aさんが,平成25年中に,特定口座の源泉徴収選択口座を利用してX投資信託を基準価額12,000円(1万口当たり)で300万口すべて解約した場合に徴収される所得税および住民税の額を,解答用紙の手順に従い,計算過程を示して求めなさい。なお,Aさんにはこれ以外にこの年における株式等の譲渡はなく,また,《設例》に挙げられているもの以外の費用等および復興特別所得税については考慮しないものとする。
問6 解答・解説
株式投資信託換金時の所得税・住民税に関する問題です。
まず、投信の売却益=換金額−取得価額 となります。
換金額については、換金時の基準価額12,000円が該当しますが、X投資信託の場合は「信託財産留保額:換金時の基準価額に対して0.3%」とされています。
よって、換金額=12,000円−12,000円×0.3%=11,964 円
次に取得価額とは、個別元本に販売手数料などの取得費用を加えた、投資金額のことです。
これに対し個別元本とは、同じ投資信託を追加購入した場合に、それぞれの口数に応じて加重平均した購入価格です。
ただし、本問の場合は「購入時手数料:なし」となっていますので、取得価額=個別元本です。
さて、X投資信託では元本払戻金(特別分配金)400円が発生していますが、特別分配金が発生すると、分配前の個別元本から特別分配金を差引いた金額が、新たな個別元本(分配後の個別元本)となります。
本問では平成24年3月にX投資信託を一括購入していますので、分配前の個別元本=購入時の基準価額10,000円です。
ここから特別分配金を差し引くと、新たな個別元本(分配後の個別元本)となりますので、
分配後の個別元本=10,000円−400円=9,600円
従って、Aさんの投信1万口当たりの売却益=11,964 円−9,600円=2,364円
ただし、実際にはAさんは投信300万口を購入していますので、
300万口分の売却益=2,364円×300万口/1万口=709,200円
最後に、平成25年度の株式等に係る譲渡所得の税率は、10%(所得税7%住民税3%)ですから、
・所得税 709,200円×7%=49,644円
・住民税 709,200円×3%=21,276円
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