問1 2013年9月実技生保顧客資産相談業務
問1 問題文
Mさんは,妻Bさんに対して,公的年金制度からの遺族給付の受給要件や遺族の範囲等について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な語句を,下記の〈語句群〉のイ〜チのなかから選び,その記号を解答用紙に記入しなさい。
「遺族基礎年金および遺族厚生年金の受給に必要な保険料納付要件は,[T]死亡日の前日において,死亡日の属する月の( 1 )までに国民年金の被保険者期間があるときは,国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の( 2 )以上あること,[U]平成28年4月1日前に65歳未満の者が死亡した場合は,[T]の要件を満たしていなくても,死亡日の前日において,死亡日の属する月の( 1 )までの1年間に保険料滞納期間がないこと,となっています。
遺族給付を受給することができる遺族の範囲は,遺族基礎年金と遺族厚生年金では異なります。遺族基礎年金を受給することができる遺族は,死亡した被保険者等によって生計を維持されていた『子のある妻』または『子』です。『子』とは,18歳到達年度の末日までの間にあるか,20歳未満で障害等級1級または2級の障害の状態にあり,かつ,現に婚姻していない子を指します。
一方,遺族厚生年金を受給することができる遺族は,死亡した被保険者等によって生計を維持されていた『配偶者,子,父母,孫,( 3 )』となっており,妻以外の遺族には年齢等の要件があります」
〈語句群〉
イ.末日 ロ.前月 ハ.前々月 ニ.3分の1 ホ.3分の2
ヘ.2分の1 ト.兄弟姉妹 チ.祖父母
問1 解答・解説
遺族基礎年金・遺族厚生年金の支給要件・支給対象に関する問題です。
遺族基礎年金や遺族厚生年金の支給を受けるには、いずれも被保険者が、20歳〜死亡月の前々月までの期間のうち、納付済期間と免除期間の合計で3分の2以上、年金保険料を納付している必要があります。
ただし、平成28年3月31日までに65歳未満で死亡した場合は、死亡月の前々月までの1年間に未納期間がなければOKです。
また、遺族基礎年金は、主に、子供や子供のいる妻が支給対象で、支給要件は以下全てを満たすことが必要です。
●妻の場合:被保険者(夫)が死亡した当時、生計維持関係にあり、子どもと同一生計。
●子の場合:被保険者(父・母)が死亡した当時、生計維持関係にあり、18歳未満(18歳到達年度末まで可)、または20歳未満で障害有り。かつ、結婚していない。
これに対し、遺族厚生年金の支給対象は、死亡した被保険者によって生計を維持されていた「配偶者および子、父母、孫、祖父母(←支給順位順)」で、最高順位の者以外には受給権がありません。
また、妻以外の遺族の場合、子・孫は18歳未満(18歳到達年度末まで可)または20歳未満で障害有り、夫・父母・祖父母は55歳以上(支給は60歳から)が支給対象です。
以上により正解は、(1) ハ.前々月、 (2) ホ.3分の2、 (3) チ.祖父母
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