問24 2013年9月学科
問24 問題文択一問題
一般的な固定利付債券の利回りや価格に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.逆イールドとは、他の条件が同じであれば、残存期間の長い債券の利回りよりも残存期間の短い債券の利回りの方が高い状況のことをいう。
2.他の条件が同じであれば、表面利率の低い債券よりも表面利率の高い債券の方が、金利の変動に対する価格変動幅は大きい。
3.他の条件が同じであれば、残存期間の短い債券よりも残存期間の長い債券の方が、金利の変動に対する価格変動幅は大きい。
4.一般に、市中金利の上昇は債券価格の下落要因となる。
問24 解答・解説
固定利付債券に関する問題です。
1.は、適切。イールドカーブとは、残存年数の異なる債券の利回りを、線で結んでグラフにしたもの(縦軸:利回り、横軸:期間)で、右上がりの曲線を順イールド、右下がりの曲線を逆イールドといいます。
つまり、残存期間の短い債券より長い債券の利回りが高いとき、期間が長いほど利回りが高くなるわけですから、イールドカーブは右上がりの曲線=順イールドとなり、反対に残存期間の短い債券より長い債券の利回りが低いとき、期間が長いほど利回りが低くなるわけですから、イールドカーブは右下がりの曲線=逆イールドとなります。
2.は、不適切。債券の価格は、市場金利が上昇すると下落し、市場金利が低下すると上昇しますが、高クーポン(高金利)と低クーポン(低金利)の債券を比較した場合、低クーポン債券の方が、金利の変動に対する価格変動幅は大きくなります。
他の条件が同じなら、その債券価格はクーポンと市場金利の差によって決まります。例えば、クーポン1%と10%の債券では、当然10%の債券の方が価格が高いです。ここで、1%の市場金利の変動があると、クーポン10%の債券には大した変動ではありませんが、1%の債券にとってはクーポン分と同じ変動のため、大きな値動きになってしまいます。
言い換えれば、低クーポン債券の方が、市場金利の金利変動幅がクーポンに占める割合が高く、価格変動幅も大きいといえます。
3.は、適切。残存期間が長い債券は、残存期間が短い債券よりも、償還時までに金利変動の影響を受ける期間が長いため、金利変動に対する価格変動幅が大きくなります。
他の条件が同じなら、その債券価格は残存期間の長さ(残存期間中に受け取る利子)と市場金利(同期間中に市場金利で受け取る利子)によって決まります。例えば、残存期間1年と10年の債券では、当然10年の債券の方が価格が高いです。ここで、1%の市場金利の変動があると、残存期間1年の債券にとっては金利の影響を受けるのは今後1年だけですから、大した変動ではありませんが、10年の債券にとっては今後10年間受け取る利子のオトク度に影響する変動のため、大きな値動きになってしまいます。
言い換えれば、残存期間の長い債券の方が、残存期間中に受け取る利子に対して、同期間中に市場金利で受け取る利子の差が大きく、価格変動幅も大きいといえます。
4.は、適切。債券の価格は、市場金利が上昇すると下落し、市場金利が低下すると上昇します。
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