問12 2013年5月実技生保顧客資産相談業務

問12 問題文と解答・解説

問12 問題文

Aさんの平成24年分の納付すべき所得税額を計算した下記の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な数値を求めなさい。なお,予定納税額や源泉徴収税額は考慮しないものとし,Aさんの平成24年分の所得税に係る所得控除の額の合計額は1,800,000円とする。また,問題の性質上,明らかにできない部分は□□□で示してある。

・事業所得の金額: 4,600,000円
・雑所得の金額:
  (a) 公的年金に係る雑所得の金額:( 1  )
  (b) 個人年金保険に係る雑所得の金額:( 2  )
  (a)+(b)=□□□
・一時所得の金額:□□□円
・総所得金額:( 3  )
・課税総所得金額:( 3  )−1,800,000円=□□□
・納付すべき所得税額:( 4  )

<資料> 公的年金等控除額


<資料> 所得税の速算表

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問12 解答・解説

所得税の申告納税額に関する問題です。

Aさんの収入は、事業所得と雑所得(特別支給の老齢厚生年金・個人年金)・一時所得(生命保険の解約返戻金)と、上場株式の譲渡損失ですが、株式等の譲渡による譲渡所得は分離課税のため、総所得金額には含めません
総所得金額は、大雑把に言うと、総合課税の所得を合計し、損益通算した後の金額です。

事業所得は既に分かっていますから、ここでは雑所得と一時所得を計算します。
雑所得は、公的年金とその他の雑所得を分けて計算します。
公的年金の雑所得=収入額−公的年金等控除額
=特別支給の老齢厚生年金40万円−控除額70万円=−30万円 ←※0円扱い
※通常、雑所得同士の内部通算は可能ですが、この場合は損失ではなく、控除しきれない額が残っただけですので、内部通算の対象とはなりません(公的年金の控除を、それ以外の所得から控除するのはおかしいですよね)。
その他雑所得=収入額−収入を得るために支出した額
      =個人年金120万円−必要経費96万円=24万円
従って、Aさんの雑所得=0円+24万円=24万円
よって正解は、(1) 0 、(2)240,000(円単位)。

次に、一時所得=収入額−収入を得るために支出した額−特別控除50万円 ですので、まずは一時払養老保険の差損益を計算します。
一時払養老保険の差損益:満期保険金480万円−保険料500万円=−20万円 ←※0円扱い
※一時所得の計算の結果、マイナスとなった場合には、所得がなかったものとして、0円とされます。

よって、
Aさんの総所得金額=事業所得+雑所得+一時所得÷2
         =460万円+24万円+0円=355万円
よって(3)の正解は、4,840,000(円単位)。

最後に、(4)の所得税額は、課税総所得金額、算出税額を計算して求めます。
課税総所得金額=総所得金額484万円−所得控除合計180万円=304万円
算出税額=課税総所得304万円×10%−9.75万円=20.65万円
よって(4)の正解は、206,500(円単位)。

問11             第5問
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