問24 2013年5月学科
問24 問題文択一問題
一般的な固定利付債券への投資に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.債券の発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、償還や利払い等の不履行の可能性が高まると、一般に、当該債券の市場価格は下落する。
2.他の条件が同じであれば、残存期間の短い債券よりも、残存期間の長い債券の方が、金利変動に対する債券価格の変動幅が大きくなる。
3.オーバーパー発行の債券の応募者利回りは、表面利率より高くなる。
4.発行体が非居住者である債券や発行地が海外である債券は、外国債券と呼ばれる。
問24 解答・解説
利付債券に関する問題です。
1.は、適切。債券投資では、債券の発行体である政府・地方自治体・企業等の経営不安・財政難等によって、債務不履行=デフォルト(利払いや償還金の支払遅延・不能)となる可能性が高まることがあります。
この場合、その債券の市場での取引価格は下がりますが、額面上の利率は変わらないため、取引価格に対する利回りは上昇します。
2.は、適切。残存期間が長い債券は、残存期間が短い債券よりも、償還時までに金利変動の影響を受ける期間が長いため、金利変動に対する価格変動幅が大きくなります。
他の条件が同じなら、その債券価格は残存期間の長さ(残存期間中に受け取る利子)と市場金利(同期間中に市場金利で受け取る利子)によって決まります。例えば、残存期間1年と10年の債券では、当然10年の債券の方が価格が高いです。
ここで、1%の市場金利の変動があると、残存期間1年の債券にとっては金利の影響を受けるのは今後1年だけですから、大した変動ではありませんが、10年の債券にとっては今後10年間受け取る利子のオトク度に影響する変動のため、大きな値動きになってしまいます。
言い換えれば、残存期間の長い債券の方が、残存期間中に受け取る利子に対して、同期間中に市場金利で受け取る利子の差が大きく、価格変動幅も大きいといえます。
3.は、不適切。応募者利回りとは、新発債を償還期限まで保有していた場合の利回りです。
例えばオーバーパー101円発行の新発債を償還期限まで保有すると、額面金額100円で償還されますから、差額1円は損失となり、金利分(額面金額に対する金利)だけが利益となるわけです。
表面利率は額面金額に対する利率ですから、当然オーバーパー債券の応募者利回りは、表面利率より低くなるわけです。
4.は、適切。外国債券とは、「発行体」・「発行地」・「通貨」のいずれかが外国の債券のことです。外国債券のうち、非居住者により日本国内で発行される円建て債券をサムライ債、非居住者が日本国内で発行する外貨建て債券をショーグン債と呼びます。
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