問13 2012年5月実技生保顧客資産相談業務

問13 問題文と解答・解説

問13 問題文

「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」(以下,本特例という)に関する以下の文章の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な語句を,下記の〈語句群〉のア〜コのなかから選び,その記号を解答用紙に記入しなさい。

妻Bさんが相続により取得した自宅の敷地(X宅地)は「特定居住用宅地等」として,また,長男Cさんが相続により取得した賃貸アパートの敷地(Y宅地)は「貸付事業用宅地等」として,それぞれ本特例の適用対象となる。「特定居住用宅地等」は240uまでの部分を限度面積として( 1 )の減額,また,「貸付事業用宅地等」は( 2 )uまでの部分を限度面積として( 3 )の減額の対象となる。
本特例の対象宅地等が複数ある場合は,それぞれの宅地等につき前述の限度面積まで減額されるわけではなく,次の算式により適用面積を調整することになる。 
 

Aさんに係る相続税においては,評価額の減額幅が大きい( 4 )から優先的に本特例の適用を受ける方が有利となる。

〈語句群〉
ア.30%   イ.50%   ウ.60%   エ.80%   オ.200   カ.240
キ.300   ク.400   ケ.X宅地   コ.Y宅地

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問13 解答・解説

小規模宅地の特例に関する問題です。

小規模宅地の特例では、特定居住用は240uを上限に80%減額、貸付事業用は200uを上限に50%減額となります。
また、特定事業用は400uを上限に80%減額となります。

なお、小規模宅地の特例を複数の宅地に適用する場合、一定の限度面積の制限があります。
<2種類以上の小規模宅地等の特例適用を受ける場合の限度面積>
特定事業用の適用面積+特定居住用の適用面積×5/3+その他の適用面積×2≦400u
※「その他の小規模宅地」とは特定事業用・居住用に該当しない小規模宅地(貸付事業用等)です。

本問ではX宅地180uが特定居住用、Y宅地200uが貸付事業用に該当しますから、
180u×5/3+200u×2=300u+400u=700u>400u となり、限度面積をオーバーしてしまいます。

そこで、特定居住用であるX宅地を優先して適用した場合、
特定居住用180u×5/3+貸付事業用○○u×2≦400u となる面積を求めます。
貸付事業用○○u≦(400u−特定居住用180u×3/5)/2=50u
よって、X宅地は180u、Y宅地は50uが特例の適用対象です。

X宅地の減額幅:180u×25万円×80%=3,600万円減額
Y宅地は賃貸アパートですから、貸家建付地として評価した後、小規模宅地の特例を適用することになります。
貸家建付地の評価額=自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
         =30万円/u×200u×(1−70%×30%×100%)
         =4,740万円
ここで、敷地面積200uのうち、50uが特例の適用対象ですので、
Y宅地の減額幅=50u/200u×4,740万円×50%=592.5万円減額
⇒X宅地とY宅地の減額幅合計 4,192.5万円減額

対して、貸付事業用であるY宅地を優先して適用した場合、
貸付事業用200u×2=400u で上限に達しますので、特定居住用であるX宅地には適用されません。
よって、Y宅地の減額幅は、
Y宅地の減額幅:4,740万円×50%=2,370万円減額

従って、Aさんに係る相続税では、特定居住用であるX宅地から優先して特例を適用した方が、評価額の減額幅が大きく、有利となります。

従って正解は、(1) 80%、 (2) 200、 (3) 50%、 (4) X宅地

第5問             問14
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