問25 2012年5月学科
問25 問題文択一問題
債券投資に係るリスク等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.外国政府が日本国内で発行する円建て外債(サムライ債)には、その発行国の政治・経済情勢などに起因するカントリーリスクが存在する。
2.市場において相対的に流通量が少なく売買取引が成立しにくい債券は、一般に、流動性リスクが高い債券であると評価される。
3.他の条件が同じであれば、信用リスクが高い債券は、信用リスクが低い債券よりも、一般に、債券価格が高い。
4.固定利付債について、他の条件が同じであれば、クーポンレートの低い債券は、クーポンレートの高い債券よりも、一般に、市場金利の変動に対する価格変動幅が大きい。
問25 解答・解説
債券投資のリスクに関する問題です。
1.は、適切。外国政府が発行する円建て外国債をサムライ債といい、円建てのため為替変動リスクはありませんが、発行国の政治・経済情勢などにより当初の発行条件通りの利払い・償還がされなくなる、カントリーリスクがあります。
2.は、適切。流動性リスクとは、売りたいとき・買いたいときにすぐに売買できるかどうかというリスクですので、市場で流通量が少なく取引が成立しにくい債券は、流動性リスクが高いと評価されます。
3.は、不適切。信用リスクが高い=信用度が低い、信用リスクが低い=信用度が高い、ということですので、信用度が高ければ、みんなが欲しがって価格は上がり、利回りは下がる=ローリスク・ローリターンとなり、逆に信用度が低いと、欲しがる人は減るので価格は下がり、利回りは上がる=ハイリスク・ハイリターンとなります。
よって、信用リスクが高い債券は、信用リスクが低い債券よりも、債券価格が低下します。
4.は、適切。債券の価格は、市場金利が上昇すると下落し、市場金利が低下すると上昇しますが、高クーポン(高金利)と低クーポン(低金利)の債券を比較した場合、低クーポン債券の方が、金利の変動に対する価格変動幅は大きくなります。
他の条件が同じなら、その債券価格はクーポンと市場金利の差によって決まります。例えば、クーポン1%と10%の債券では、当然10%の債券の方が価格が高いです。
ここで、1%の市場金利の変動があると、クーポン10%の債券には大した変動ではありませんが、1%の債券にとってはクーポン分と同じ変動のため、大きな値動きになってしまいます。
言い換えれば、低クーポン債券の方が、市場金利の金利変動幅がクーポンに占める割合が高く、価格変動幅も大きいといえます。
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