問15 2012年5月学科
問15 問題文択一問題
契約者(=保険料負担者)を法人とする生命保険の年払保険料に係る法人の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.被保険者および満期保険金受取人をすべての役員・従業員とし、死亡保険金受取人をその役員・従業員の遺族とする養老保険の保険料は、2分の1を資産に計上し、残りの2分の1は損金に算入する。
2.被保険者をすべての役員・従業員、死亡保険金受取人を法人とする終身保険の保険料は、全額を資産に計上する。
3.被保険者を特定の役員、死亡保険金受取人を法人とする長期平準定期保険の保険料は、保険期間の前半6割相当期間については、2分の1を資産に計上し、残り2分の1は損金に算入する。
4.被保険者を特定の役員、死亡保険金受取人をその役員の遺族とする定期保険特約付終身保険の保険料は、定期保険部分と終身保険部分のいずれも、全額を給与として計上する。
問15 解答・解説
法人の生命保険の経理処理に関する問題です。
1.は、不適切。被保険者を全役員・従業員とし、死亡保険金・満期保険金ともに受取人が役員・従業員(またはその遺族)とする養老保険の保険料は、保険料全額が給与となります。
満期保険金受取人=法人、死亡保険金受取人=役員・従業員の遺族の場合は、2分の1を資産計上、残りの2分の1は損金算入します。
2.は、適切。被保険者=全役員・従業員、死亡保険金受取人=法人とする終身保険では、最終的に必ず法人が保険金を受け取ることができることから、支払保険料の全額を資産計上します。
3.は、適切。長期平準定期保険では、前半6割期間での保険料支払い時は、保険料の2分の1を定期保険料として損金計上し、2分の1を前払保険料として資産計上します。
長期平準定期保険とは、保険期間満了時に70歳を超え、かつ加入時の年齢に保険期間の2倍の数を加えると105を超える定期保険のことです。
4.は、適切。定期保険特約付終身保険は、終身保険に一定期間の定期保険を特約として付帯したものですが、被保険者=特定の役員、死亡保険金受取人=役員の遺族とする場合、実質的に法人が役員の生命保険料を肩代わりしていることになるため、定期・終身部分のいずれも、全額を役員に対する給与として計上します。
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