問9 2011年9月実技損保顧客資産相談業務

問9 問題文と解答・解説

問9 問題文

Mさんのアドバイスに関する次の記述(1)〜(3)について,適切なものには○印を,不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

(1) 「X社の本社建物が火災に遭った場合のリスクとして,建物の損害だけでなく,事業活動が休止または阻害されることによる利益の減少等も考慮する必要があります。事前に事業継続計画を策定しておくとともに,そうした利益の減少等に備える補償を準備することも大切です」

(2) 「仮に,保険期間中にX社の本社建物が火災による損害(全損事故ではない)を受けて損害保険金が支払われた場合,それまで資産に計上していた金額を取り崩し,受け取った保険金額との差額をX社の益金の額または損金の額に算入します」

(3) 「仮に,保険期間中に全損事故が発生して損害保険金が支払われた場合,当該積立火災保険の保険契約は失効します。その場合,満期日を迎えても満期返戻金は支払われませんのでご留意ください」

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問9 解答・解説

    損害保険による法人のリスク管理に関する問題です。

    (1) は、○。法人にとって火災による損害は、単に建物や商品の滅失だけではなく、建物再建までの事業活動の休止・阻害による利益の減少等もあります。
    このため、そうした事態に陥ることを想定した事業継続計画を事前に策定し、利益の減少等に備える補償を準備することが大切です。
    当たり前といえば当たり前ですが、個人の災害対策同様、日々の業務の忙しさでそこまで手が回らない、というケースも多いわけです。

    (2) は、×。積立火災保険や積立傷害保険等の積立型の損害保険は、1回の事故で損害保険金が契約金額の100%未満なら、契約金額は変わらないため、何度でも保険金が支払われます。このため、全損事故でない場合の損害保険金を受け取った場合、それまで資産計上していた保険金積立金は満期まで取り崩すことなく資産計上を継続し、受け取った保険金額を雑収入として益金算入します。

    (3) は、○。積立火災保険や積立傷害保険等の積立型の損害保険は、保険期間中に全損事故で保険金全額が支払われると、保険契約は失効するため、満期日を迎えても満期返戻金は支払われません
     保険金を全額もらった上に、満期返戻金ももらえるなんて美味しい話はないわけです。

問8             第4問
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