問7 2011年9月実技損保顧客資産相談業務
問7 問題文
X社が加入を検討している設例の積立火災保険の契約初年度における経理処理(仕訳)について,以下の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な数値を,下記の〈数値群〉のア〜コのなかから選び,その記号を解答用紙に記入しなさい。
<X社の契約初年度における経理処理(仕訳)>
〈数値群〉
ア.34 イ.36 ウ.144 エ.146 オ.170
カ.180 キ.970
ク.980 ケ.1,000 コ.1,150
問7 解答・解説
積立型損害保険の経理処理に関する問題です。
通常の損害保険は満期になっても返戻金がない掛け捨てタイプですが、積立型の損害保険は満期時に満期返戻金が受け取れる貯蓄タイプの保険です。
従って、支払った保険料のうち積立部分は資産計上し、補償部分は損金算入する経理処理となります。
また、補償部分のうち当期分の補償に対応する部分は支払保険料として損金算入しますが、翌期分以降の補償に対応する部分は前払保険料として資産計上し、翌期以降に損金算入することとなります。
設例の(5)
保険料の内訳によると、積立型基本特約保険料980千円・補償保険料170千円・平準積立保険料970千円とあります。
このうち、補償保険料はまさに補償部分の保険料で、純保険料(万一の際の保険金に当てられる保険料)です。
対して、積立型基本特約保険料は満期返戻金・契約者配当金・保険料の振替貸付・契約者貸付等の積立型保険に特有の機能をまとめて一つの特約とした保険料で、積立保険料と付加保険料(保険会社の利潤部分)で構成されています。
つまり、積立型基本特約保険料=平準積立保険料+付加保険料 です。
積立保険の保険料は、純保険料・付加保険料・積立保険料で構成されていますから、設例の積立火災保険の保険料を分解すると、以下の通りとなるわけです。
一時払保険料1,150千円=補償170千円+平準積立970千円+付加10千円
従って経理処理の際、積立部分である平準積立保険料970千円は保険金積立金として資産計上します。
また、純保険料である補償保険料170千円と、付加保険料10千円は支払保険料として損金算入しますが、保険期間は5年間のため、初年度は5分の1が損金算入対象です。
(付加保険料は保険給付を受けるために必要な費用ですから、損金算入されるわけです。)
よって、支払保険料=(170千円+10千円)÷5年=36千円。
さらに、一時払保険料1,150千円のうち、保険金積立金970千円と支払保険料36千円として計上した残額が、翌期以降の補償に対応する部分(前払保険料)として資産計上されます。
前払保険料=1,150千円−970千円−36千円=144千円
最後に、保険料は通常現金または預金から支払いますから、一時払保険料1,150千円と同額が、現金・預金の支出として記帳されます。
従って正解は、(1)
キ.970、(2) イ.36、(3) ウ.144、(4)
コ.1,150
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