問1 2011年9月実技生保顧客資産相談業務
問1 問題文
Aさんに係る公的年金制度からの老齢給付について説明した以下の文章の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な語句または数値を,下記の〈語句群〉のア〜サのなかから選び,その記号を解答用紙に記入しなさい。
@)
Aさんの場合,原則として,( 1
)から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金(以下,「特別支給の老齢厚生年金」という)が支給され,65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金が支給される。ただし,Aさんが(
1
)以降も引き続き厚生年金保険の被保険者としてX社で勤務する場合,特別支給の老齢厚生年金は,60歳台前半の在職老齢年金の仕組みが適用され,Aさんの給与の額(賞与を含む)に応じて,その一部または全部が支給停止となる場合がある。
A)
60歳台前半の在職老齢年金の支給停止基準額は,( 2 )と基本月額に応じて決定される。( 2
)と基本月額との合計額が( 3
)千円(平成23年度の支給停止調整開始額)以下である場合,特別支給の老齢厚生年金は,在職による支給調整は行われず,全額支給される。
B)Aさんが65歳になるまで厚生年金保険の被保険者としてX社に勤務した場合は,老齢厚生年金の受給権取得時に,厚生年金保険の被保険者期間が(
4
)以上あり,かつ,Aさんと生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいるため,老齢厚生年金の額に加給年金額が加算される。
〈語句群〉
ア.61歳 イ.62歳
ウ.63歳 エ.総報酬月額相当額 オ.標準報酬月額
カ.280 キ.320 ク.360 ケ.10年 コ.15年
サ.20年
問1 解答・解説
特別支給の老齢厚生年金と在職老齢年金に関する問題です。
65歳前の老齢厚生年金は、「特別支給の老齢厚生年金」として、定額部分と報酬比例部分があり、昭和28年4月2日〜昭和30年4月1日生まれの男性は、61歳〜65歳になるまで報酬比例部分のみ支給されます。
<定額部分の支給開始年齢>(女性は各5年遅れ)
・昭和16年4月1日以前生まれ……………………60歳
・昭和16年4月2日〜昭和18年4月1日生まれ……61歳
・昭和18年4月2日〜昭和20年4月1日生まれ……62歳
・昭和20年4月2日〜昭和22年4月1日生まれ……63歳
・昭和22年4月2日〜昭和24年4月1日生まれ……64歳
※昭和24年4月2日以降生まれ(女性は昭和29年4月2日以降)は報酬比例部分のみ。
<報酬比例部分の支給開始年齢>(女性は各5年遅れ)
・昭和28年4月1日以前生まれ……………………60歳
・昭和28年4月2日〜昭和30年4月1日生まれ……61歳
・昭和30年4月2日〜昭和32年4月1日生まれ……62歳
・昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日生まれ……63歳
・昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日生まれ……64歳
※昭和36年4月2日以降生まれ(女性は昭和41年4月2日以降)は特別支給の厚生年金なし。
設例では、Aさんの生年月日は昭和29年7月14日とありますので、定額部分の支給はなく、報酬比例部分の支給が61歳から開始されます。
ただし、年金支給開始年齢に到達した後も、厚生年金の被保険者として勤務する場合には、60歳台前半の「在職老齢年金」の仕組みが適用されます。
これにより、賃金(賞与を含む)の額に応じて、年金の一部または全部が支給停止となる場合があり、支給停止となる基準額は、基本月額(月額換算の年金)と総報酬月額相当額(月額換算の賃金)により決定されます(基本月額と総報酬月額相当額の合計が28万円以下であれば、支給停止はなく年金は全額支給)。
また、厚生年金の被保険者期間が20年以上で、65歳未満の配偶者がいる場合には、老齢厚生年金に加給年金が加算されます。
従って正解は、
(1)
ア.61歳、(2)
エ.総報酬月額相当額、(3)
カ.280、(4) サ.20年
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