問58 2011年9月学科
問58 問題文択一問題
代償分割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.代償分割は、共同相続人のうち特定の者が被相続人の遺産を取得し、その代償としてその者が他の相続人に対して、自己の固有財産を交付する分割方法である。
2.代償分割は、相続財産の大部分が不動産や自社株などで分割が困難な財産である場合に、それを特定の相続人に相続させる必要がある場合等に利用される。
3.代償分割によって特定の相続人から他の相続人が取得した代償財産は、被相続人から相続により取得した財産ではないため、贈与税の課税対象となる。
4.代償財産として不動産を交付した場合、その不動産を時価により譲渡したものとみなされ、所得税の課税対象となる。
問58 解答・解説
代償分割に関する問題です。
1.は、適切。代償分割は、共同相続人のうち特定の者が被相続人の遺産を取得し、その他の相続人に代償として資産を交付する(遺産をもらう代わりに財産を分け与える)方法です。
2.は、適切。代償分割は、相続財産が不動産や自社株などで、現物分割が困難である場合に有効な遺産分割方法で、事業承継のために特定の相続人に相続させる必要がある場合等に利用されます。
3.は、不適切。代償分割で取得した代償財産は、被相続人から相続により取得した財産とみなされるため、相続税の課税対象となります。
4.は、適切。代償分割での代償財産として不動産を交付すると、不動産を時価で譲渡したものとみなされ、交付した人に対して所得税の課税対象となります。
譲渡所得としての課税を回避するには、現金等で代償分割することが必要ということですね(ただし、不動産を売却した代金で代償分割しようとしても、譲渡所得として課税対象となります)。
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