問24 2011年9月学科
問24 問題文択一問題
一般的な固定利付債券の利回りや価格等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.オーバーパー(額面金額100円超)発行の債券の応募者利回り(単利)は、表面利率を下回る。
2.債券の価格が下落すると、その債券の最終利回りは下落する。
3.表面利率(クーポンレート)などの他の条件が同じであれば、残存期間が長い債券は、残存期間が短い債券よりも、金利変動に対する価格変動幅が大きい。
4.残存期間などの他の条件が同じであれば、高クーポンの債券は、低クーポンの債券よりも、金利変動に対する価格変動幅が小さい。
問24 解答・解説
債券の利回りや価格に関する問題です。
1.は、適切。応募者利回りとは、新発債を償還期限まで保有していた場合の利回りです。
例えばオーバーパー101円発行の新発債を償還期限まで保有すると、額面金額100円で償還されますから、差額1円は損失となり、金利分(額面金額に対する金利)だけが利益となるわけです。
表面利率は額面金額に対する利率ですから、当然オーバーパー債券の応募者利回りは、表面利率より低くなるわけです。
2.は、不適切。債券の価格が下落すると、当初の設定利率(表面利率)はそのままですので、その債券の最終利回りは上昇します。
(生み出す利息は一緒のものが安く買えるわけですから、最終的な利回りは上昇するわけです。)
3.は、適切。残存期間が長い債券は、残存期間が短い債券よりも、償還時までに金利変動の影響を受ける期間が長いため、金利変動に対する価格変動幅が大きくなります。
他の条件が同じなら、その債券価格は残存期間の長さ(残存期間中に受け取る利子)と市場金利(同期間中に市場金利で受け取る利子)によって決まります。例えば、残存期間1年と10年の債券では、当然10年の債券の方が価格が高いです。
ここで、1%の市場金利の変動があると、残存期間1年の債券にとっては金利の影響を受けるのは今後1年だけですから、大した変動ではありませんが、10年の債券にとっては今後10年間受け取る利子のオトク度に影響する変動のため、大きな値動きになってしまいます。
言い換えれば、残存期間の長い債券の方が、残存期間中に受け取る利子に対して、同期間中に市場金利で受け取る利子の差が大きく、価格変動幅も大きいといえます。
4.は、適切。債券の価格は、市場金利が上昇すると下落し、市場金利が低下すると上昇しますが、高クーポン(高金利)と低クーポン(低金利)の債券を比較した場合、低クーポン債券の方が、金利の変動に対する価格変動幅は大きくなります。
他の条件が同じなら、その債券価格はクーポンと市場金利の差によって決まります。例えば、クーポン1%と10%の債券では、当然10%の債券の方が価格が高いです。
ここで、1%の市場金利の変動があると、クーポン10%の債券には大した変動ではありませんが、1%の債券にとってはクーポン分と同じ変動のため、大きな値動きになってしまいます。
言い換えれば、低クーポン債券の方が、市場金利の金利変動幅がクーポンに占める割合が高く、価格変動幅も大きいといえます。
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