問2 2011年5月実技個人資産相談業務
問2 問題文
仮に,現時点(平成23年5月22日)において,Aさんが死亡した場合の公的年金制度からの遺族給付の概要について,ファイナンシャル・プランナーが説明した以下の文章の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な語句を,下記の〈語句群〉のA〜Iのなかから選び,その記号を解答用紙に記入しなさい。
遺族基礎年金を受けられる遺族は,国民年金の被保険者または被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持されていた一定の「子のある妻」または「子」である。
仮に,Aさんが現時点で死亡した場合,遺族基礎年金は(
1
)。
一方,遺族厚生年金を受けられる遺族は,厚生年金保険の被保険者または被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持されていた配偶者もしくは子,父母,孫または祖父母であり,(
2
)以外の者には,年齢要件等がある。
また,遺族厚生年金には支給順位があり,先順位の遺族が受給権を取得したときは,後順位の遺族に受給権は発生しない。
仮に,Aさんが現時点において死亡した場合,妻Bさんに支給される遺族厚生年金には,妻Bさんが65歳に達するまでの間,中高齢寡婦加算の加算が行われる。
妻Bさんが,65歳に達し,妻Bさん自身の老齢厚生年金を受給できるようになった場合,遺族厚生年金は,(
3 )に相当する部分の支給が停止となる。
〈語句群〉
A.妻Bさんに支給される B.子Cさんに支給される C.支給されない
D.妻
E.配偶者
F.子,父母,孫または祖父母
G.老齢厚生年金の額
H.老齢厚生年金の額に2分の1を乗じて得た額
I.老齢厚生年金の額に3分の2を乗じて得た額
問2 解答・解説
遺族基礎年金・遺族厚生年金に関する問題です。
まず、遺族基礎年金は、主に、子供や子供のいる妻が支給対象で、支給要件は以下全てを満たすことが必要です。
●妻の場合:被保険者(夫)が死亡した当時、生計維持関係にあり、子どもと同一生計。
●子の場合:被保険者(父・母)が死亡した当時、生計維持関係にあり、18歳未満(18歳到達年度末まで可)、または20歳未満で障害有り。かつ、結婚していない。
よって、Aさんが死亡した場合に、子Cさんは既に別世帯で30歳ですから、妻Bさんには、遺族基礎年金は支給されません。
次に、遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者が死亡した場合、その被保険者によって生計を維持されていた配偶者および子、父母、孫、祖父母(←支給順位順)に、支給されます(最高順位の者以外には受給権無し)。
なお、妻以外の遺族の場合、子・孫は18歳未満(18歳到達年度末まで可)または20歳未満で障害有り、夫・父母・祖父母は55歳以上(支給は60歳から)が支給対象です。
なお、夫死亡時に40歳以上65歳未満で、生計同一の子がいない妻の場合、中高齢寡婦加算が加算されます。
また、遺族厚生年金の受給者が65歳になったら、自分自身の年金(老齢基礎+老齢厚生)に加えて、遺族厚生年金と老齢厚生年金の差額を遺族厚生年金として受給します(それまで受給していた遺族厚生年金のうち、老齢厚生年金相当額が支給停止となる)。
(65歳未満で特別支給の老齢厚生年金をもらえる場合には、遺族厚生年金と特別支給の老齢厚生年金のうち、いずれかを選択することになります。)
従って正解は、(1)C.支給されない (2)D.妻 (3)G.老齢厚生年金の額
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